終戦時の朝鮮半島における日本資産の請求権について-4

(4)日韓基本条約の「放棄」の意味

これまで述べた通り、日本の半島資産は米軍が接収し、サンフランシスコ平和条約で戦勝国に対する請求権を放棄しているので、SF平和条約の14年後締結した日韓基本条約が破棄になったとしても、普通に考えれば請求することは出来ない。

問題は「なぜ日韓基本条約に請求権の放棄」が書かれているのか。
正確には、付属文書である「日韓請求権並びに経済協力協定」の第二条がそれに該当する
 

第二条の1
両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。

 

SF平和条約第四条
(a)この条の(b)の規定を留保して、日本国及びその国民の財産で第二条に掲げる地域にあるもの並びに日本国及びその国民の請求権(債権を含む。)で現にこれらの地域の施政を行つている当局及びそこの住民(法人を含む。)に対するものの処理並びに日本国におけるこれらの当局及び住民の財産並びに日本国及びその国民に対するこれらの当局及び住民の請求権(債権を含む。)の処理は、日本国とこれらの当局との間の特別取極の主題とする。第二条に掲げる地域にある連合国又はその国民の財産は、まだ返還されていない限り、施政を行つている当局が現状で返還しなければならない。(国民という語は、この条約で用いるときはいつでも、法人を含む。)

(b)日本国は、第二条及び第三条に掲げる地域のいずれかにある合衆国軍政府により、又はその指令に従つて行われた日本国及びその国民の財産の処理の効力を承認する。

 


朝鮮半島の財産の請求権に関して言えば、SF平和条約第四条(a)では「朝鮮半島にある日本国及びその国民の財産の請求権は日本と韓国で取り決めてね」と言ってる。
ただし、この条約以前に日本の半島資産は全て米軍に接収されて払い下げ済みであり、しかも請求権をSF平和条約第二条で放棄している。

この時点でもう日本的には「詰み」の状態。

にもかかわらず、「日韓請求権並びに経済協力協定」の第二条があるのか。

日韓基本条約の交渉工程を見るとその理由がよく分かる。

「日韓請求権並びに経済協力協定」の第二条は、現在の状況が発生することを見越して“交渉後に韓国が金を要求してきても断れるように”明文化したもの。

交渉過程で出てくる数字は適当かつでたらめで、当時から相当ふっかけられている。

このことから、あの請求権放棄の文言は対韓国用として盛り込まれた。

第二条の文言の中で「千九百五十一年九月八日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第四条(a)に規定されたものを含めて」が日本を対象にした部分。

「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。」とは、韓国に追加請求させないための文言。
そして、この経緯を忘れて韓国が蛮行に走った場合、韓国を国際的に沈めるためのトラップ。

なので我々が返還を求めるなら「日韓請求権並びに経済協力協定」の第一条にある金額の合計「3億ドル+2億ドル+57年分の利息」になる。

終戦時に日本が半島に残してきた資産は諦めよう。

そのかわり、先人が埋め込んだトラップは十二分に活用しないと…ね。

 

(終)

 

 

 

 

 

 

 

 



報告する

5


≪ 前の作品 作品一覧 次の作品 ≫
Twitterでシェア!



"青木文鷹" is creating "鑑定人、情報分析"
鑑定人と情報分析のプロです。マスコミが知らない報道の真相等執筆してます。書籍の監修や自著も出してます。
青木文鷹 is creating 鑑定人、情報分析

鑑定人と情報分析のプロです。マスコミが知らない報道の真相等執筆してます。書籍の監修や自著も出してます。
お支払い方法
 クレジットカード
 銀行振込
 楽天Edy決済
 デビット&プリペイドカード(Vプリカ等)
  支援はいつ開始してもOK!
  Entyで支援すると約1.5倍以上オトク!
詳細