3Dプリンターでフィギュアを作ってどうするの?(グッズ製作への応用)

 

前回の記事では3Dプリンターを使って3DCGキャラクター(MMDモデル)をフルカラー彩色済で立体出力する過程と出来上がった作品についてご紹介しました。

とはいえ、前回紹介した一連の作業をMetasequoia(市販3DCGモデリングツール)等の使用経験がほとんどない人にさせるのは無茶な話です。筆者自身は既に10年近くMetasequoiaを使い続けていますが、それでも前回の弱音ハクモデルの場合3Dプリンター用マスターデータを仕上げるのに2週間程かかりました。

元々3DCGモデルとして存在するフィギュアデータを3Dプリンター向けに修正する作業ですらここまでかかる訳ですから、3DCGモデリングツールを使って1からフィギュアデータを作るのをツールの使用経験のない全くの初心者の方が挑戦されるのは非常にハードルが高い話になってきます。1日程度の無料勉強会でモデリングのイロハを学んだところで、使えるようになるにはなお日数と使用経験を積まなければなりません。
(そこを専門学校等の専門コースできちんと学ぶと、教育にかけた費用分の時間を短縮することは出来ると思います)

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しかし、いまさら3DCGモデリングツールの勉強をしてまで3Dプリンターを使おうと言う情熱を燃やすには、3Dプリンターはいまいちモチベーションを燃え上がらせるデバイスとは言えなくなってきています。

「個人で買うにはまだ値段が高い」「買ってもメンテナンスばかりでろくに使えない」「出力してみたら積層段差でギザギザ」「色がつかない」「出力に時間がかかりすぎる」等々、
3Dプリンターは使いはじめるまでに様々な厄介事を抱え込んでしまうといった話が蔓延してしまったので、今はあまり積極的に使いたいと思う人が少なくなってきているのが現状と言えます。

しかしながら、3Dプリンターには大きなメリットと「夢」があります。

それは「グッズ製造を個人で手掛けることのできる装置になる」事です。

フィギュアは、そう遠くない将来にかなり完璧なモデルができるようになると考えています。

が、現時点で石膏粉末材料を使ったフルカラー3Dプリンター(ProJet660)を利用したグッズを販売しているディーラーやサークルがWFやコミケに存在していることは確かです。

筆者も当初、フルカラー3Dプリンターを利用してグッズ的なものを作るための3DCGモデル変換プログラムを開発していました。その成果が以下の立体出力物です。

これらの立体出力物は、薄さ1cmに収まっています。片方のミクさん(筆者作成モデル)は完全なレリーフで、もう片方(あにまささん作成モデル・許可を得て立体化)は表と裏がある形になっています。

何でこんなに平べったい形にしたのかというと、こうすることで3Dプリンタ-出力代金を決定する上で大きなファクターとなる「立体出力物の出力容積」をぎりぎりまで落とすことが出来るため、比較的安価に出力ができる・・・、と見込んだ末のサイズ決定でした。

しかし、平べったくすることで石膏材料でできたモデルでありながらそこそこ強度が保てる事が分かりました。とりわけ右側のあにまさ式ミクさんの場合、かなりフィギュアに近い感覚でグッズ化が出来る可能性を見いだせます。

 

これらのモデルを出力するプログラムは、2013年に開発していたものです。

この両方のモデルは元々MMDの1ポーズから立体出力用のモデルとして変換したものですが、変換にはこの時点で初めて専用のプログラムを開発して実行しました。

「EasyRecaster」という名前をつけたこの変換プログラムは、画面に描画された3DCGモデルからそのレンダリング計算用の奥行き情報(Zデプス値)を抜き出して立体モデル変換時に利用するという独自開発の立体化アルゴリズムを搭載していました。

ということで、ズの左側のミクさんは表面のみのレリーフ化を行い、右側のあにまさ式ミクさんは表面と裏面からレリーフ化処理を実行して両方のデータを貼りあわせたものです。

レリーフ化というと、単体ではあまり利用の余地が無いような気がしますが、例えばこんなソリューションを考えていたりしました。

このように、スマートフォンケースに立体的に浮かび上がる3DCGモデルを配することが出来れば、この画像の例ではいまいちですがもっと魅力的な3DCGモデルを使用した場合、それ自体がグッズとして通用するものになります。

が、これらを発表した直後はコンテンツ的にもしょぼかったため、あまり注目されるには至りませんでした。そこでこのプログラムの開発は本格的なフィギュアの作成へと進むことになりました。

 

ということで、次回はいよいよ「ユニティちゃんフィギュア化ツール」の秘密に迫ります。

乞うご期待。(^^)

 

この作品はピアプロ・キャラクター・ライセンスに基づいてクリプトン・フューチャー・メディア株式会社のキャラクター「初音ミク」を描いたものです。



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"そむにうむ@森山弘樹" is creating "立体物・フィギュア・グッズ・3DCGプリンター・3DCGツール・VR・AR・Unity・モーション"
「ゲームから3Dプリンター出力」の実現を目指し、今までよりも簡単に作れるフィギュアや立体物グッズの製作ノウハウを共有する活動を行なっています。
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