Violent Witches: the Vindicatorの各キャラクターの作成背景をお話ししていく第3回目はナーシェとセイルです。
それぞれ作成前のラフはこんな感じで描いてもらいました。
ここから本番のデザインへブラッシュアップされます。
まずナーシェの方から。
元々あった髪のボリュームが若干落ち着き、スカートも短くなりました。
ラフ時のデザインも非常に気に入っていたのですが、デザイナーさんの意向で変更になったので、逆にこの動きやすそうな形を活かしてゲーム中でもかなり動き回ります。
もしラフ時デザインに近い状態だったらもう少しどっしりと構えたような感じにしたかと思います。
元軍人という設定はInt版で追加されたもので、旧VWでは素早い・せっかちということぐらいしかわからなかったので大分人情味あふれるキャラクターになりました。
彼女のように「戦いに生きる」というタイプは戦闘させやすいので考えるのは楽なのですが、他の生き方も描きたくなるジレンマもあります。
なぜ光を発する義眼のようなものを付けたのかとかはInt版では理由を描きましたが、今回は全体バランスとテンポの関係上なんとなくスルーすることにしました。
ナーシェに限りませんが、ストーリー膨らませようと思えば、魔女全員どんどん膨らませられるのですが、それはそれでフランクのメインストーリーがぼやけるので、ずっと悩んでいます。例えば、分作にして描くとかも考えたのですが、それなりのものを作ろうとするとなかなか時間も取れないので、検討続けて実現していませんが、いつかはやりたいと思っています。
今回はウィンドゲートの重ねがけができないので、速度に関しては若干緩めになりましたが、それでも結構連続で攻撃してくるのと攻撃力が高めなので、防御面が弱い状態だと苦労するかもしれません。作者テストプレーでも事故りやすく、弱体化調整が多かった魔女です。
双子で塔に住む魔女セイル。
Int版で追加された魔女で、誰も覚えていないような古い話だと、最初にHPを公開した時に旧VWの没魔女ネタとして"分裂魔女ゲルニーチェ"というシナリオを掲載していて、それを膨らませたものです(今作者の手元にもデータは残っていないのですが、もしかするとアーカイブとかで拾える…かもしれません)。
服装のデザインはラフ時からあまり変わってませんが、髪型が割とまとまり、ちょっとクールな表情になりましたが、根は寂しがり屋のままです。
彼女の設定として「肉体がくっついているところかでないと分裂・合体ができない」というものがあるので、合体するとき片方は全裸になり、出てくるときも肌が大きく露出している背中からしか出てこれません。
くっついている状態でのみ、お互いが持つ電磁力が反発して巨大な雷を放つことができます。
Int版では特にアラビアンな砂漠設定はなかったのですが、今までステージとして存在していなかったので、塔の要素に足すことにし、結果としてステージは砂漠とジッグラトの2段構成に大きく変化しました。
シュトが雨を降らす設定になった煽りを受けて、今回は雨演出は抑え気味になりました。どうしても何か一つ新要素を入れると他に影響が出るので難しいと今回は感じましたね。
ちなみに、VW公開後も新魔女のネタというのは結構書き溜めていて、実現したものとしてはこのセイルの他にもエノラ、メリファリファ、ゼネ、といったInt版の面々がいるのですが、
・自分の血が地面に落ちると巨大な火柱が発生する魔女
・体が空気よりも軽いため地上に降りれず浮遊を続ける魔女
・金属を引き寄せるため地下道に籠って街を守る魔女
・自分の力を妹に貸し与えている男の魔女。
・人の痛みや苦しみの感覚を自らの中に格納できる魔女。
といったものがあり、単にアイデアメモかシナリオ公開で終わっていたりします。
こういった魔女たちにも日の目を見せたいので、どこかでそういった場を今後も作れないか考えていきたいですね。
次回は残り2魔女の制作話を紹介します。
その後は、フランクとシュト、そして、あの因縁の魔女をそれぞれお話ししていければと思っていますので、よろしくお願いします。
*今回のボーナス映像はセイルのステージ中間ムービーのmp4版データになります。