第30章

◆第30章 超人アキラ誕生から5ヶ月◆

◆30-1 アキラ近況

 オルル王国・モデッタ市・病院。

【カトサ】「エルサ、いい子にしてた?」
【エルサ】「うん、ママ!」

 超人アキラのお側役・カトサ。正確には、中央局・神事部・アキラ区超人管理課・お側役主任。スペック28歳女。柔らかい笑顔の眼鏡女史。20人ほどいるお側役をまとめる。
 その娘、第二子のエルサ、8歳・・・・・・なのだが病弱なために見た目は5歳ほど。生まれてからほとんどを病院のベッドの上で過ごしている。
 生まれつきの心臓の病により、医者には死産だったと思い諦めるように言われる。カトサの夫もそれを勧める。生きられる見込みのない赤子はそうするのが当然のご時世だった。
 だがカトサはエルサを育てる決意をする。夫は第一子の長男を第一に考え、連れて出て行く決断をする。
 今までの、そしてこれからの入院費用を稼ぐため、カトサは危険だが高給が期待できる超人のお側役に志願をした。3歳までは生きられないだろうと言われていたエルサだが、十分な介護を与えられたため存命に至る。

【カトサ】「もう少し体が大きくなったら、心臓の機械化の手術が受けられるって。だからたくさん食べて大きくならないとね」
【エルサ】「うん。お肉がたくさん食べられるようになったんだよ。あのタレ、美味しいね」
【カトサ】「ふふふふ、イオさんにお礼を言っておかないとね」

 ▼

 オルル王国・モデッタ市・アキラ城。
 超人管理課用に設けられた簡易な接客室に、課長ホウムラ、管理課職員クマエが訪れ、カトサからの定期報告を聞く。

【アキラ】「お腹~いっぱいだ~」
 イメージ映像。アキラの食事シーン。

【カトサ】「アキラ様が超人になってから約5ヶ月。食事に対する禁忌感は完全になくなった様子で、むしろやや食欲旺盛。細身だった体にはかなり脂肪が付いてきました」
 カトサによる超人アキラ報告。身長は3メートルほど。体重はやや増加、筋肉は減少しているようで、ぽっちゃり体型に成長していた。

【狐耳の女】「わーい。アキラ様のお腹ぷよぷよ」
【猫耳の女】「アキラ様、かわいい~」
【アキラ】「ふ、ふは~。お姉さま~。そこは駄目~」
 イメージ映像。アキラとたわむれる巨乳美女たち。

【カトサ】「性欲も旺盛なようで、最近は異種族の女性に興味がお有りの様子です」
【クマエ】「むふふふ。その辺、年頃の男の子でありますな」
 超人管理課の平職員・クマエ。スペック18歳女。自称、超人管理課のホープ。
【課長ホウムラ】「暴走以来、相変わらず部屋に引きこもりっぱなしですか?」
 中央局・神事部・アキラ区超人管理課・課長ホウムラ。スペック25歳女。カトサの上司で超人管理課のトップである。

【カトサ】「その件は相変わらずです。引きこもることにストレスは感じていないようですが・・・・・・」

【アキラ】「お姉さま~」
【女】「ア、アキラくん~」
【イオ】「ば、バカ! ア、アキラ!」
【ミリン】「だ、駄目! アキラくん、それは!」
【アキラ】「はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
【ネロ】「あ? てめぇ、俺様の嫁に何してるんだよ!」
【キオ】「俺が、アキラを殺す!」
【アキラ】「わぁぁぁぁ! ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!」
【カトサ】「アキラ様!」
 以上、イメージ映像。ピンクな夢からの悪夢で飛び起きるアキラ。

【カトサ】「村の少女たちに手を出したことに、やはり強い罪悪感を抱いているようです。夢が暴走のスイッチになることも多いらしいため、なるべく疲れていただき、夢を見ないほど熟睡していただくのが一番だと思いますが・・・・・・」
【課長ホウムラ】「引きこもっている限り、その方法で疲れさせるしかないですね。お側役の増員の件、なるべく急ぎましょう」
【カトサ】「ふぅ・・・・・・ライバルが増えます。アキラ様に飽きられなように私も頑張らないといけませんね」
【課長ホウムラ】「あの件ですが2年程度なら私の推薦でなんとかなりそうです。全力で支援しますので任せて下さい」
【カトサ】「よろしくお願いします」
【クマエ】「はて、なんの件でありますか?」
【課長ホウムラ】「超人絡みの案件で寿命制限を延長できる特例があるらしいので調べてみました。特別に超人から信頼を得ている場合はその条件に合致します」
【クマエ】「それは良かったであります! 2年あれば、エルサちゃんの手術後を見守れるであります」
【カトサ】「はい。ありがとうございます」
【課長ホウムラ】「いえ、お礼を言うのはこちらです。カトサさんの体を張った献身には、どれほど感謝の言葉を尽くしても足りません」

 ▼

【カトサ】(必要とされるように。でも飽きられないように。焦らしつつも満足していただいて。翻弄しつつも隙きを見せて)
【アキラ】「カ、カトサさん~」
【カトサ】「アキラ様。まだです」

【お側役の女】「はぁ、はぁ、疲れた~。カトサさんって体力あるぅ~」
【お側役の女】「しかし、カトサさん色っぽいよねぇ。女から見てもドキッとするよ」
【お側役の女】「エロさが溢れ出てるよね」
【お側役の女】「いや、あれはエロじゃなくて母性でしょ」
【お側役の女】「何というか、天職ですね」

【カトサ】「うふふふっ、もう、アキラ様ったら赤ちゃんみたいに」

 微笑む目には慈しみの奥に恍惚が宿る。
 そっち方面でのカトサさんのスペック。熟女と言うよりは母、母性ダダ漏れ。で、ありながらややS。仕方なく選んだ仕事だが前向きに、いや、楽しくなってしまった。天性の娼婦的な一面を持つ。

【カトサ】「ふぅ・・・・・・ちょっとやりすぎてしまいました。アキラ様が可愛い顔をするものでつい、うふふふ」

 事後、頬を染めながらそんな照れ笑いを浮かべるカトサだった。



◆30-2 アキラ城の女たち近況

 妊娠5ヶ月。安定期。つわりや味覚障害も大分収まる。鉄分を求め赤身肉を欲する。

【イオ】「どう? 新作のタレ」
【女たち】「いい!」
【女たち】「おお、更に良くなった」

 妊婦向けの焼肉のタレ作りに励んでいた。

【ミリン】「美味しい! これは食べ過ぎちゃう~」
【イオ】「はははは、太ってしまえ、太ってしまえ」
【女たち】「妊娠してるからだからね。勘違いしないでね」
【ミリン】「出産後が心配よね」
【イオ】「ホウムラさんとクマエもよかったらどうぞ」

【課長ホウムラ】「ご相伴にあずかります」
【クマエ】「うわ、みんなニンニク臭いであります!」
【ミリン】「もう仕事終わりでしょ? ふっふっふ~。ニンニク揚げどーん!」
【クマエ】「あれ? ミリン、太ったでありますか? お腹ではなく顔が」
【ミリン】「言わないで~。この子が、この子が欲してるの~」
 ミリン、おなかをポスポスと叩く。クマエはミリンやイオたちと同年代。既に敬称略の仲。
【イオ】「食べ過ぎはほどほどにな、ミリン。すっかり元気になったのいいけど」
【ミリン】「あの頃は心配を掛けました」

 回想。
【クマエ】「───でありますよ」
【ミリン】「カトサさんにそんな過去が・・・・・・」
【イオ】「カトサさん、苦労人なんだな」
【ミリン】「・・・・・・・・・・・・私、何を悩んでいたんだろ。結局、産まないなんて選択肢は考えられないし、産んで育てるだけ。どっちの子かなんて関係なかった。私は産んで全力で愛情を注いで育てるしかないんだ!」
 ───と、カトサの身の上話がミリンを復活させる事になった。

【ミリン】「むしろ、どっちの子かで悩むのはネロとアキラくんよね。ふふふ、二人が対面した時の修羅場がちょっと楽しみ」
【クマエ】「物騒なことになりそうでありますな」
【イオ】「あー、それは楽しみなような、楽しんじゃいけないような」
【課長ホウムラ】「・・・・・・なんと言うか、意外と思い切りのいい娘だったんですね」
【イオ】「ネロと結婚を決めた時もそうだしな。いざの時に強いんだよな、ミリンは」
【ミリン】「アキラくんも引きこもっていないで、顔を出せばいいのに」
【イオ】「おー! いじりにいじってやろう。早く引っ張り出して来てよ」
【ミリン】「ふっふっふ~」
【イオ】「うひひひひ」
【課長ホウムラ】「頼もしいと言いますか、たくましいと言いますか」
【クマエ】「母は強しであります!」

 ▼

【ミリン】「ふぅ・・・・・・ちょっと、強がっちゃったかな」

 後に一人自室でこぼすミリン。まだ言葉ほど切り替えられているわけではなかった。




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