2020年前期Vol.5 2003年のクリスマスイブに書いた現在非公開の小説『パンダタの世界』


 相羽です。

 今回は「2020年前期」のメインコンテンツVol.5のお届けでして、2003年のクリスマスイブに書いて当時HTMLのホームページで公開した、小説のような雑想のような文章をお届けです。

 僕の昔のホームページは現在非公開になっておりますので、これも蔵出しですね!

 僕の小説と言いますと、2004年のクリスマスイブにWEB公開の『夢守教会 少女のケニング』がまずは表に発表した最初の小説という位置づけなのですが、それよりもちょっと前から小説めいたものは書き始めていたんですね~。

 ではでは、2003年なので二十二歳くらいの頃ですか(笑)、に書いた『パンダタの世界』という文章です~。↓


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■クリスマスSS

 窓外(そうがい)はどこか安堵を覚えるような深い漆黒の闇に覆われていた。見渡す景色は闇ゆえに個々の映像が何であるのか判別がつかない。眼に見える全てのものが実体のようであり、虚構のようでもある。

 「雪……?」

 パンダタは読みかけの本を閉じて窓の外を見つめる。確かに雪が降っている。漆黒の闇の中に鮮やかな白色の雪が映えて見える。闇の中に投げ出された一筋の白色は、さながら不可解な「世界」に投げ出された孤独な実存のようでもある。

 「白と黒の境界は、私という個人とこの世界との境界なのかもしれないな、それは鮮明なようでいて限りなく曖昧だ。それは私の内部においてもそうだ。私の外見は白と黒のコントラストから織りなされているけれど、そこに引かれる厳密でいて曖昧な境目に、きっと人間は興味すら示さない」

 パンダタは凍てつくような窓の外の外界を、暖房で暖められた部屋の中から見つめながら、そんな独想を一人呟いた。

 しかしながらパンダタの哲学的な思考は暖間のドアが開く乾いた音によって遮られた。

 ドアの影から現れた真夜中の来訪者にパンダタはこの上なく優しげな微笑みを向ける。

 「お父さん……」

 半刻ほど前に寝かせた娘が、まだ眠たげな目を擦りながら現れたのだ。あるいは、降り出した宵の雪が彼女を惹きつけたのかもしれない。



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