第26章

◆第26章 ケンタウロス高原討伐3◆

◆26-1 ケンタウロス族討伐作戦・始まる

 大規模作戦のためにケンタウロス族の村を中心に、6~12時の方角を西部、12~3時の方角を北部、3~6時の方角を東部の戦士連合の将が受け持つ。

 9時の方角後衛・作戦総本部・総指揮は
『西軍大将・清廉たる鞭ガーレット』五ツ星軍師。
 スペック32歳女。爆乳と鞭がトレードマーク。

 5時の方角後衛・東部作戦本部・指揮は、
『東部中将・大局を操る者ナーナ』五ツ星軍師。

 4時の方角前衛・作戦支部・指揮は、
『准将・山に愛されし軍師ミミル』五ツ星軍師。

 ▼

 モリー・パーティーはミミルの作戦支部付近に配置される。

【キオ】「うちのパーティーが前衛に配置って珍しい! いつも防衛ラインの守り専門なのに」
【モリー】「川が防衛ラインってことだ。少し南に流れる川があって、西のコーネル港の方へと向かう大河に繋がる。
 脱出ルートとしては遠回りなのだが、川に入られると面倒だろ? 剣が使えなくなってしまうし、シールドがあっても溺れたら死ぬ。戦士であることの意味がなくなってしまったら、力が強く泳ぎの得意なケンタウロス族が有利だ。確実に狙ってくるルートだと思う」
【キオ】「ケンタウロス族って泳げるの?」
【エンジ】「意外でござるが、ケンタウロス族、というか馬でござるな。馬は泳ぐのが得意なのでござる。生まれた時から誰に教わることなく、泳ぐことができるとの話でござる」
【キオ】「へー、体、重そうなのに」
【モリー】「なので東部担当の方角は、麓の最終防衛ラインにはナーナ中将、川の防衛ラインにミミル准将の2つの作戦拠点を作る。私たちはミミル准将の守護だ」
【キオ】「おー! 俺がミミルを守る!」

【ミミル】「くすくす、相変わらず声が大きいのです。守って下さいなのです」
 後方のミミルにもキオの声が届いていた。

 ▼

 各配置でそれぞれの軍師が読み合いを始めている。

【ガーレット大将】「本命は10時の方角。最短距離でトッペリ港に向かうコースだ。ケンタウロス族ならば2週間で走れる距離だろう」
【ケンタウロス族の軍師】「最短ルートは当然警戒される。しかし、だからこそまさかと思うルートでもある」
【討伐隊軍師】「9時の方角のここはコーネル港を目指す場合の最短ルートだ。今回は忙しくなりそうだぞ」
【ミミル】「遠回りして北南東のルートを取る可能性も十分あるです」
【ナーナ】「包囲網を抜けてしまえば、ケンタウロス族は足の速さで圧倒的に有利じゃ。全方向、手を抜けんな」
【モリー】「山の風向きを考えるとしばらくは休んでおいた方がいいかな」
【ケンタウロス族の軍師】「大会の直後だ。西部の担当方角には、大会出場の猛者共が集まっているだろう」
【ナーナ】「西部は避け、未知の北部、東部に賭けるかのぉ?」
【ガーレット大将】「逆に考えれば、西部の強戦士は技が知られている」
【ミミル】「最も警戒するは、剣聖シュンなのです」
【ナーナ】「敵の主力は当然、新剣聖のシュンじゃろう。しかし……」
【ケンタウロス族の軍師】「シュンがいる隊が本命と思うだろう。それを利用できないか?」
【ナーナ】「翼の民の監視網は便利そうじゃの」
【ケンタウロス族の軍師】「空からの監視を防ぐいい手がある」

【ガーレット大将】「さて、正午を過ぎたが狼煙はなし。まあ当然だろうな。作戦開始の銅鑼を!」

 ゴォォォォン! ゴォォォォン! ゴォォォォン!

 11時の方角・前線。ネロ・パーティー。

【ネロ】「チッ! やはり、始まっちまうのか」
【バーン】「ケンタウロス族は今や屈指の戦闘種族。戦わずして降伏など誰も予想していないだろう」
【ヒカリ】「シュン……」
 泣き腫らして赤くなっているヒカリの目に更に涙がにじむ。
【ネロ】「チッ、ヒカリ! てめぇ、いつまでもメソメソしてんじゃねえ!」
 ネロ、ヒカリの脳天にベシベシとチョップの連打。
【ヒカリ】「いたっ!? 痛い痛いってネロ~」
【マフ】「こら、ネロ! まったくデリカシーのない!」
【ネロ】「うっせー! ヒカリ、俺様たちはどうする? いや、てめぇはどうしたい? てめぇがうちの軍師だ! てめぇが決めろ! シュンにどうしてぇ!?」
【ヒカリ】「シュンに───もう一度会いたい!」
【ネロ】「軍師様の命令じゃ、しかたねぇ! 付いて行くぞ!」
【ミーシャン】「あら、素直じゃないんだから」
【ツクネ】「ツンデレか!」
【マフ】「あらやだネロ少年、お姉さん、惚れちゃうわ」
【ネロ】「あぁぁぁぁ、てめぇら、うっせ───! ヒカリ、指示を出しやがれ!」
【ヒカリ】「うん! 少し待って。港の方向は……地形……いえ距離よりは……川は遠すぎる。騎士隊の配置は……。バーンさん、他の剣聖たちの配置はどうなっているか知ってる?」
【バーン】「ああ、6時から順に……」
 ヒカリは地図に色々と書き込んでいく。
【ヒカリ】「シュンに会える可能性が高いのは───ここ!」
 ヒカリは3分ほど唸り、地図の一点を指さした。
【バーン】「この配置は私に任せろ。行って来るがいい、若者たちよ!」

 ▼

 ケンタウロス族の動向。

【ケンタウロス族の男】「陽動は俺たちにまかせろ」
【ケンタウロス族の男】「どうせ、来年には寿命の身。一族の役に立って散ってやるぜ」
【ケンタウロス族の女】「子供たちは任せたよ」
 30歳の寿命に近い者たちが決死のオトリ役を買って出る。

【ケンタウロス族】「この木、煙が酷い上に臭くて間違えて燃やすと大変な事になったよな」
【ケンタウロス族】「まさか役に立つ日が来るとは」
 ケンタウロスの村のあちこちから白煙が上がる。

 ▼

 戦士連合の動向。

 空。

【空の翼の民】「空に煙幕! げほげほっ! こいつはたまらん。翼の民・偵察部隊は退避する!」

 作戦総本部。

【ガーレット大将】「翼の民による空の監視を潰しに来たか。やはり魔獣相手のように楽には済ませてくれないな。見える見える……光……集まれ。バードビュー」
 俯瞰───空から見下ろす視点で戦況把握ができる高度遠望魔法。ガーレット大将は煙幕の上の高高度から戦地全体を見下ろした。

 ─間─

【モノノル准将】「小一時間、動向なし。村に攻め込みたくなる状況ですね」
 と、部下の准将。
【ガーレット大将】「通常の民族ならばそれもいいのだがな。攻め込んだ所を逃げられてしまっては、ケンタウロス族には追いつけん。誘っているのかもしれないな。だが持久戦にはこっちが有利だ。ゆっくりと出方を待つとしよう」
【モノノル准将】「煙幕が広がってますね。風向きが変わりましたか?」
【ガーレット大将】「いや、動きがあった。煙は6方向に広がっている。12、2、4、6、8、10。……つまり偶数時の方角だ」
【モノノル准将】「12、2、4、6、8、10時の方角、了解。指示はどうしますか?」
 モノノルが復唱とともに地図に敵を示す駒を配置する。
【ガーレット大将】「特に指示はなし。元より、全方向を警戒している。ほとんどが陽動だろうが、本隊だろうがオトリ隊だろうが一人残らず討伐することに変わりはない」
【モノノル准将】「ケンタウロス族5274人討伐。いやな作戦になってしまいましたね、ガーレット大将」
【ガーレット大将】「超人の暴走の被害に比べれば大した数ではない……そう考えてしまう辺り、私らは人が死ぬことに慣れてしまっているのであろうな」



◆26-2 各隊の動向

 ネロ・パーティー。
 バーンを除くネロ・パーティーは本来配置の11時の方角・前衛より10時・後衛まで移動の後、8時・後衛の方角へと馬車を借り移動している。

【ネロ】「8時の方角か。どうしてここなんだ?」
【マフ】「本命視されているルートは、トッペリ港の10時の方角、コーネル港の9時の方角、川を使う4時の方角。どんな理由が?」
【ヒカリ】「突破さえできれば、正に馬並みの脚力を持つケンタウロス族が有利だもの。どの方角でもいい。ならば、戦力の薄そうな場所を狙うはず」
【ツクネ】「でも、大会が近かったせいで、西部担当の方角には剣聖選抜の出場者が全員参加で、まんべんなく配置されているんでしょ?」
【ネロ】「ああ、俺様たちが配置されていた場所もバーンのおっさんが指名された場所だったな。おかげでおっさんは留守番だ」
【ミーシャン】「大会出場の強者が配置されている西部は、避けようと考えそうなものだけど」
【ヒカリ】「ケンタウロス族の軍師の目線で考えた場合、北部、東部は未知。命がけのギャンブルは避けたいはず。西部の方角は強者揃いだけど戦力はわかっている。そして確かに強者揃いだけど、一人だけ戦う気のなさそうな人がいるじゃない」
【ネロ】「あ? 誰だ」
【ツクネ】「あっ!」
【マフ】「あっ!」
【ミーシャン】「ああ、なるほどね」
【ヒカリ】「剣聖たちの配置は各パーティーの軍師たちには知らされてないんだけど、ケンタウロス族がこれに気付いたら、ここを狙う可能性が高いと思うの」

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 8時の方角・前衛。
 この配置を担当するのは───

【ケイゼス】「はぁ……恐い。早く帰りたい」

『保身が第一・ケイゼス』五ツ星剣士。前・西6位剣聖。
 スペック34歳男。兎族。
 一言で解説するならば臆病者。それを極めた結果、危機回避能力が超越する。その能力たるや、寿命で死ぬのは恐いと参加した前剣聖選抜大会では6位に入賞するほどに。
 なお、前大会はあからさまに寿命免除目当てで、最低順位の6位入賞を狙う。今大会では即ギブアップ。真の実力が見えない戦士である。

【ケイゼス隊軍師】「敵の先頭、見えました。赤い兜! あれは要注意人物の新剣聖シュンの弟『森を駆ける赤兜・ギュン』五ツ星斧使いだと思います。どうしましょう、ケイゼスさん」
【ケイゼス】「うーん……逃げましょう」
【ケイゼス隊軍師】「えっ、逃げるのですか!? 確か、15、16歳の五ツ星に成り立ての戦士。ケイゼスさんなら瞬殺でしょう」
【ケイゼス】「前衛と言うと通常の魔獣戦では先鋒隊です。敵をかき回して分散し、中衛の攻撃隊になるべく均等に割り振ってパスするのが重要な役割です。ですが今回は中衛の攻撃隊が動きを予想しやすいように、そのままスルーするのが得策でしょう」
【ケイゼス隊軍師】「なるほど」
【ケイゼス】「ただし、ただ逃げるのは駄目です。敵の戦力、人数を正確に後方を守る隊に伝えます。戦場で最も大切なのは情報の共有です」
【ケイゼス隊軍師】「なるほど!」
【ケイゼス】「では、進路から外れて、敵がルートを変えないように上手く誘い込みましょう」
【ケイゼス隊軍師】「前衛隊、全隊に伝令! 敵の通過を監視しやすい、高台に───北200メートルの位置に移動し潜伏する!」
【前衛隊の軍師】「ケイゼス・パーティーに続くぞ!」
【前衛隊の戦士】「さすが元剣聖だな。頼りになる」
【前衛隊の戦士】「戦場に慣れているよな」

【ケイゼス】(…………元剣聖のネームバリューには助かりますな~。しかし、なぜでしょう。戦いを避けるべきと私の勘が言っています。くわばらくわばら)
 臆病者の勘が、シュンの弟『森を駆ける赤兜・ギュン』との戦いを危険と感じ取っていた。

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 ケンタウロス族の隊列。8時の方角。

【軍師】「ケイゼスが見当たりませんね」
【軍師】「慎重な男と聞く。後退して待ち伏せか?」
【軍師】「いや、素通りさせ、背後から挟み撃ちにする作戦かもしれない。隊列後方にも戦力を2割移動する」

 まさか逃げたとは思いもよらず。多少、ケンタウロス族の戦力を分散させることとなったのは、討伐隊にとっては不幸中の幸いであろうか。

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 ネロ・パーティー。8時の方角・後衛。

【付近のパーティー】「前衛からの報告だ! この方角に『森を駆ける赤兜・ギュン』を先頭にした大隊が接近中! 今、中衛の位置で交戦中! 本命の隊列の一つと考えられる」
【付近のパーティー】「もう中衛の位置だって!?」
【付近のパーティー】「さすが、ケンタウロス族、足速っ!」

【ネロ】「ギュンか! ハズレじゃねーか、ヒカリ! なぁ、五ツ星軍師様よぉ!」
【ヒカリ】「い、いたい、いたい!」
【ツクネ】「こら、ネロ! 女の子の頭を拳でぐりぐりするなぁ! せめてチョップにしなさい!」
【ミーシャン】「他の場所よりは可能性が高いという話だったでしょ!」
【マフ】「この馬鹿はもう! ヒカリから離れろ!」
【ヒカリ】「うう、ネロ、酷いよ~」
【ネロ】「おお、そうだ! だったらギュンの奴を捕まえて聞けばいいじゃねぇか。シュンがどっちへ行ったのかをよ!」
【ミーシャン】「うーん、ヒカリの予想が外れたのをごまかしてあげるツンデレ的行動?」
【ツクネ】「いや、こいつ、単に空気読めないだけじゃね?」
【マフ】「なんかそんな気がしてきたわー」
【ネロ】「うっせー! どうするよヒカリ! 中衛に突っ込むか?」
【ヒカリ】「うん! ネロ・パーティー、交戦ポイントに移動!」

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 4時の方角・前衛。

【先鋒隊】「敵、集団発見!」
【先鋒隊】「先頭は金髪の剣士! シュンか!?」
【先鋒隊】「ケンタウロス族に剣士は少ない! たぶん間違いないぞ!」

【シュン】「蹴散らせ!」
【ケンタウロス族】「おおおおっ!」
 ケンタウロス族は元々は木こりを生業としていた民族。シュン以外は大きな斧を振りかざしていた。

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 4時の方角・前衛。ミミル作戦支部。

【ミミルの部下】「先鋒隊、ケンタウロス族の一隊と接触。先頭はシュンとの報告です!」
【ミミル】「ならば、本命の大隊の可能性が高いのです。時間稼ぎと敵情把握を最優先なのです!」

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 作戦総本部。

【モノノル准将】「4時の方角に先頭シュンの隊列。8時の方角から大隊と接触。他の方向は陽動の小隊との予想報告。4時、8時の方角に戦力を集中したようです」
【ガーレット大将】「本命ルートの一つ、4時の方角・川ルート突破に剣聖シュンを当ててきたか」
【モノノル准将】「対策は……っと、東部の割り振りでしたね」
【ガーレット大将】「ナーナ姫は、秘蔵っ子に川ルート防衛を任せたとのこと。期待しておこう」
【モノノル准将】「ミミルちゃん……おっと、ミミル准将ですね」
【ガーレット大将】「モノノルと同じ機動力が売りの軍師と聞く。煙幕が晴れれば、その手腕、勉強させて貰いたいところなのだがな。さて、そうなると8時の方角は揺動か?」
【部下】「大将! 8時の方角・中衛から救援要請の狼煙です!」
【ガーレット大将】「中衛!? 馬鹿な、もう前衛を突破されたのか? …………8時の方角というとあいつか! 手を抜くとは思っていたとは、まさか逃げた!?」
【モノノル准将】「あー、ケイゼスさんですか。……あははは、ありえないとは言い切れませんね」
【ガーレット大将】「地図を。少しでも足止めをしていれば、青の騎士隊が駆けつけられた絶好の配置だったものを! 青の騎士隊に伝令をひとっ飛び頼む。青の騎士隊は8時・中衛の位置後方に」
【モノノル准将】「了解です」
【ガーレット大将】「ついでにケイゼスを見つけられたら、私が怒っていると伝えてくれ!」
【モノノル准将】「了解です。では、行ってまいります」
 モノノル准将は翼を広げ飛び立った。

『准将・空中作戦拠点・モノノル』五ツ星軍師。
 スペック17歳女。少数民族“翼の民”出身の軍師。空からの戦況把握と機動力を武器とする。



◆26-3 真昼頃の攻防

 5時の方角・山裾。
 東部作戦本部。

【ナーナ】「6時の方角はオトリとの報告じゃ。よって東部の管轄はミミル担当の4時の方角のみ。今回は楽ができそうじゃの。さて、寝るか」
【部下】「ね、寝るのですか!?」
【ナーナ】「どうせ山場は深夜じゃ。皆、交代で休んでおくように」

【部下】「ミミルちゃん、絶対の信頼ですね。そんなにすごいんですか?」
【部下】「山林で全域を移動できるような小規模の戦場ならば姫もかなわないという話だ」
【部下】「全域を移動? 結構な範囲を担当していますよ?」
【部下】「ああ、知らなかったのか。ミミルって猫忍者の軍師なんだよ」
【部下】「猫忍者!?」

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 4時の方角・前衛。
 ミミル作戦支部。

【ミランナ】「先鋒隊、煙幕により敵情把握が難航との報告」
【ナガレ】「敵情把握は川ルート防衛の是非に関わる。直接、出張った方が早いんじゃないのか、ミミル?」
【ミミル】「そうするのです。山猫隊、前線に移動! なのです」

 ミミル・パーティー。またの呼び名を山猫隊。6人が疾風のごとく素早さで木の枝伝いに移動を開始する。

『分裂する影・ナガレ』五ツ星忍者。
 スペック26歳男、猫族・猫忍者。近接アタッカー。

『風を切り裂く爪・ミランナ』五ツ星忍者。
 スペック16歳女、猫族・猫忍者。近接アタッカー。

『戦場をカオスに陥れる者・スモーク』五ツ星忍者。
 スペック22歳男、猫族・猫忍者。混乱のエキスパート。名前は芸名。

『全方向の盾・アカツキ』五ツ星忍者。
 スペック24歳女、猫族・猫忍者。防御に秀でるヒーラー。

『緊縛の蜘蛛の糸・ウェブ』五ツ星忍者。
 スペック25歳男、猫族・猫忍者。サポーター。捕獲を得意とする。名前は芸名。

 そして、
『准将・山に愛されし軍師ミミル』五ツ星軍師。
 スペック12歳女、猫族。
 出身は猫忍者で10歳の時には四ツ星忍者。戦闘力には劣るが索敵や移動スキルは五ツ星級。
 ナーナと知り合ったキッカケは、歳が近いということで護身術を教える役を任されたため。逆にナーナに才能を開花され軍師に転向する。ナーナは三ツ星レベルの忍者スキルを身に付けるに至る。

 ミミル・パーティーは全員が忍者スキルを持つ者により構成される。機動力を武器とし、自らが斥候から伝達まで、場合によっては先鋒隊として戦闘までをこなす。戦場を駆け回る作戦指揮拠点である。

 ▼

 4時の方角・最前線。

【ミミル】「最前線は40人対40人ほどで衝突中。なるほどなのです。敵、後方はまるで見えないのです」

 ケンタウロス村に向かい緩やかな上り斜面となるが、一面に白い煙幕が広がる。煙幕は木よりも低い位置に雲のように留まり、ケンタウロスたちを覆い隠していた。

【スモーク】「この匂いは、モベの木の生木を燃やしている匂いだな。ほら、そこに生えている細い枝の木だ」
【ミミル】「そこら中に生えているのです」
【ナガレ】「煙幕に限りがないということか。厄介だな」
【ウェブ】「煙幕の位置が低い。どうしてこうなった? これでは先に踏み入っても見渡すことができない」
【スモーク】「川付近の水分の多い空気が山頂へ向けて流れている。重い煙は天へと抜けずに、中空に留まり濃い目隠しを作っている。狙ってやったのならば、いい仕事をしている。ふふふっ」
【アカツキ】「煙に重いとか軽いとかあるのか。さすが煙幕のエキスパートね」
【ウェブ】「嬉しそうにすんな、この煙幕バカが」
【ナガレ】「ミランナの風ではどうだ?」
【ミランナ】「フッフッフッフッ、この期待の新星『風を切り裂く爪・ミランナ』。こんな煙幕、吹き飛ばしてみせましょう! ……魔法石が100個くらいあれば」
【ミミル】「100個くらいならあるのです」
【ナガレ】「できなかったら、お仕置きだ」
【ミランナ】「冗談です! ごめんなさい! 体力が持ちません!」
【スモーク】「流石にミランナの風で吹き飛ばすには煙が重く広域すぎる」
【ミランナ】「あーん、マジレスは辛いタイミングですよ? スモーク」
【アカツキ】「どうするミミル? 敵情把握は無理そうだ」
【ミミル】「ならばいっそ……スモーク、煙幕をもっと重くしてしまうのです。できますか?」
【スモーク】「! できる。ふふふふっ、これは面白いぞ、ミミル。ミランナ、風で拡散を手伝ってくれ。火を右に、水を左に、大気を上に───煙よ、敵の目をくらませろ!」
【ミランナ】「はい! 暴れろ、切り裂け───風神!」
 ピキッ、ピキッと二人の持つ魔法石が割れる。

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 4時の方角・ケンタウロス族。

【ケンタウロス族】「ゲホゲホ、なんだ!?」
【ケンタウロス族】「煙幕が登らなくなったぞ! ゲホゲホ」
【ケンタウロス族】「風向きが変わったのか? ゲホゲホ」
【ケンタウロス族】「こいつはたまらん。ゲホゲホ」
【ケンタウロス族】「ゲホゲホ。おい、煙幕やめろ! 前が見えねぇ!」
【ケンタウロス族】「バカ! 煙幕やめんな! 丸見えになるだろ!」

 ▼

 4時の方角・最前線。

【スモーク】「この程度で十分だろう。風に乗り自然に拡散する」
【ナガレ】「水煙で空気中の水分を増やしたのか。なるほどな。重くなりすぎた煙は更に低い位置にとどまり、敵自らの視界を塞ぐ」
【ウェブ】「逆に敵の煙幕を利用して敵を足止めさせた訳だな」
【スモーク】「これはいい仕事だミミル。ふふふっ。ふふふふっ」
【ミミル】「大成功なのです。敵さん、煙幕の中から逃げ出して来たのです」
【ナガレ】「まだ隊列の全貌は見えないが、突っ込むか?」
【ミミル】「いえ、敵さん、一時後退して体勢を整えるみたいなのです。この間に私たちも布陣を整えるのです。前衛各隊に伝令。この様な布陣を取るのです」
 ミミルは地図を広げて説明する。
【ナガレ】「御意! では、ミミルとアカツキは最前線を。我々は遠方へ走る」
 ミミルと護衛としてアカツキを残し、残りの4人は伝令に拡散する。

【討伐隊軍師A】「敵が逃げ出したぞ! 追撃するか?」
【討伐隊軍師B】「煙幕の中に突っ込むのか? 混戦は必至だぞ?」
【ミミル】「追撃はしなくていいのです」
【討伐隊軍師A】「…………ミミルたん可愛いよなぁ。ミミルたんの指揮なのが嬉しすぎて、とうとう幻聴まで」
【討伐隊軍師B】「いや、俺も聞こえたぞ」
【アカツキ】「幻聴ではない」
【ミミル】「ミミルたん……せめて、ちゃんにして欲しいのです」
【討伐隊軍師B】「わっ、木の上から!」
【討伐隊軍師A】「し、失礼しました、ミミルちゃん准将!」
【ミミル】「むむむっ、意図しない方向に伝わってしまったのです!? それはさておき、付近の軍師を集めて欲しいのです」
【討伐隊軍師A】「はい! おーい、集合だ! ミミルちゃん准将がいらしたぞ!」

【ミミル】「煙幕が消えるのに合わせて、前線をゆっくり500メートル前進。プレッシャーを掛けて小一時間、時間を稼いで欲しいのです。その間に3時から6時までの前衛で西に受け流す陣を作るのです」
 地図を広げ作戦を説明。
【討伐隊軍師】「了解です、ミミルちゃん准将!」
【ミミル】「変な呼び名が流行ってしまったのです!」
【アカツキ】「はははは、かわいいではないか」
【討伐隊軍師】「おーい、作戦指示だ! 前線を───」
【ミミル】「しー、なのです。敵は魔獣でなくて人なのです。大声で伝えたら作戦が筒抜けになってしまうのです」
【討伐隊軍師】「あ、そうだった! おーい、作戦指示だ。みんな集まれ(ひそひそ)」

【アカツキ】「敵が後退してくれたおかげで理想の陣形を作れそうだな。西に2キロほど逸らせば、川ルートは防衛成功だ」
【ミミル】「まだ安心はできないのです。剣聖シュンには確実に突破されると思っておいたほうがいいのです。突破された後のフォローを二重三重に用意しておくです」
【アカツキ】「先程の小競り合いの中に剣聖シュンの姿はなかったな」
【ミミル】「牽制のために顔出しして、奥で休んでいると思うのです。恐らく、勝負は夜なのです」



◆26-4 夕刻頃

 8時の方角の攻防。
 中衛、やや前衛寄りの位置で200人vs200人程度が交戦中。

【討伐隊】「赤兜のギュンに気をつけろ! 強ぇぇぞぉぉぉ! 剣聖シュンの弟だ!」
【討伐隊】「赤兜には一人で当たるな! 最低二人で当たれ!」

【ギュン】「あははは、ミノタウルみたいな扱いだ」
【ケンタウロス族】「警戒させれば十分だ。前線からは引っ込んで休んでくれ」
【ギュン】「了解。あっちこっちに顔を出してかき回すよ」

 ▼

 空のモノノル。青の騎士隊に伝令後。

【モノノル准将】「8時の前線は……うわぁ、こっちは煙幕が濃くて無理ですね」
 煙幕は山裾から山頂へ向かう風に乗って広がる。よってケンタウロス族の先駆けから山頂に向かって煙幕に覆われている状況だ。
【モノノル准将】「ケイゼスさんなら耳がいいし、聞こえるかな? ケイゼスさーん! ガーレット大将が激オコですよー! …………さて、暗くなる前に戻りましょう」

 翼の民について解説を入れておこう。
 見た目は人(猿族)の背中に翼が生えた姿。人よりは少々小型。
 大陸西端の崖の多い海岸付近を故郷とする1万人程度の少数民族。鳥から人へと進化するが、卵生であるため哺乳類の人類とは完全に交配できない。元となった鳥は地球に現存しない恐竜時代寄りの鳥である。
 翼はそれほど大きくないため、本来ならば羽ばたいて上昇することは不可能であり滑空程度の飛行能力しかない。自由に羽ばたき飛べる者は、シールドの魔法作用によるもので、自由に飛べるかどうかが、翼の民にとって戦士になるための条件となる。1/4ほどが戦士になり、その多くは偵察や伝達で活躍する。
 種族的な特徴として動体視力が良い。夜の視力は鶏ほど弱点ではないが得意ではない。

(余談ではあるが、身近な鶏が鳥目のイメージを作っているが、鳥目ではない鳥の方が圧倒的に多く、ふくろうなど夜目が効く鳥も多くいるそうな)

 ▼

 8時の方角・前衛。

【ケイゼス】「ひぃぃぃ~」
【前衛隊の戦士】「どうしました、ケイゼスさん?」
 ガーレット大将激オコの報を、しっかりキャッチしているケイゼスだった。

 ▼

 8時の方角・交戦地点のやや後方。
 ネロ・パーティー到着。

【ネロ】「くそが! 今度はギュンの野郎は右の方だってよ!」
【マフ】「ひぃ~。さっきは左って言ったじゃないかー」
【ツクネ】「疲れた!」
【ミーシャン】「少し休憩しましょう。半日、歩き通しよ」
【ヒカリ】「足の速さを活かして左右に揺すぶりを掛ける作戦ね。追っていたらキリがない。ヤマを張って、ここで待機しましょう」

 交戦地点を目前にするも右往左往する事に。

 ▼

 10時の方角・中衛前方。
 ケンタウロス族のオトリ小隊との交戦。

【討伐隊】「復活のスキルを持っているやつがいるぞ! 一度の気絶で油断するな!」
【討伐隊】「敵は少数だ! 追い込め!」

【ケンタウロス族の戦士】「はぁ……はぁ……これが剣聖の実力か。俺たち6人が必殺技を温存した、たった一人に全滅とは!」
【マゼラック】「我が必殺技は人に向けるわけにはいかない。たとえ、それが死にゆく運命の者であっても」

『サイキックソルジャー・マゼラック』五ツ星剣士。西3位剣聖。
 スペック18歳男。念動力者。

【ケンタウロス族の戦士】「ここまでか。子どもたちに未来があることを祈る。くっ!」
 マゼラックのトドメの一撃を潔く受け入れ、ケンタウロス族の戦士は気絶した。

【討伐隊】「敵12人、全員気絶。撹乱のためのオトリ小隊だったと思われます。味方の気絶は25人。倍か」
【討伐隊】「ふぅ、決死の覚悟とはいえ強ぇ。なんて一族だ」
【マゼラック】「決死のオトリ役、敵ながら見事であった。勇敢な戦士たちに、せめて尊厳のある安らかな死を与えてやってくれ」
【教会の者】「それはもちろんです」
 気絶しているケンタウロス族の戦士は、胸に手を組んで並べられる。シャラン、シャランと法具が神妙な音を奏でる。
【教会の者】「魂は循環します。肉体を離れた魂はひと所に集まり、またいずれかの生物の肉体に宿り転生します。今世にさよならを。来世が幸せでありますように祈りましょう。来世には私たちを苦しめている悪しき神が滅び、真の神アクアリーナによる幸福な統治がありますように。アクアリーン(真の神の導きを)」
【教会の者】「アクアリーン(真の神の導きを)」
【教会の者】「地を右、氷を左、雷を上に。魂に雷撃を───安らかなる眠りを」
【ケンタウロス族の戦士】「!」
 ケンタウロス族の戦士たちは小さく揺れた。そして心臓が停止する。安楽死のために教会の者たちが派遣されていた。

 ▼

 周囲は暗くなり始める。

 8時の方角・中衛、やや後方。
 青の騎士隊が到着。

【ライオネス】「全師団、この場に待機! 青の騎士隊は突破された場所の穴埋めに当たる。出番が来るまで、休んでおけ!」

『ウエスタ王国・青の騎士隊・総隊長・ライオネス』五ツ星騎士。
 スペック28歳男。2位剣聖ハイネスの兄。美形のハイネスに対し、ごつい、筋肉、漢臭い、気は優しくて力持ちタイプ。

【ハイネス】「シュンがこちらには来なかったのは残念です。最後に、狭いコロシアムの中ではない、この広い森の中で、ハンデなしの手合わせをしてみたかった」

『ウエスタ王国・青の騎士隊エース・ハイネス』五ツ星騎士。西3位剣聖。
 スペック24歳男。王都騎士隊の斬り込み隊長。

【ライオネス】「騎士結束が乗ったお前と、森バフの乗った金色のシュンか。うむ……6:4、いや55:45。レキノ市だったら、大いに盛り上がっただろうに」

 騎士は騎士同士で連携する事により互いに能力アップをする。戦士の組み合わせ条件により発動する能力アップを『結束』『結束バフ』と言う。剣聖選抜大会の時のハイネスもまた、自身の能力を最大限発揮できる状況ではなかった。



◆26-5 討伐隊の誤算

 8時の方角。やや山頂寄り。
 煙幕のない一角に5人のケンタウロス族の軍師たちが集まっていた。ケンタウロス族の作戦拠点である。

【オールカ】「見える見える……光……集まれ。バードビュー!」

『斧を振るう軍師・オールカ』四ツ星軍師。
 スペック15歳女。近接もこなす凡庸な軍師……だったのだが、つい最近に俯瞰で戦況把握ができる高度遠望魔法『バードビュー』を習得する。この事はまだ戦士カードに記されていないため、ガーレット大将もナーナ中将も知る由もない。これが討伐隊にとっての大誤算だった。

【オールカ】「青の騎士隊、8時の方角・中衛の後方に集結!」
【ケンタウロス族軍師】「大成功だ! 最大の難関であろう騎士隊を少数のオトリでまんまと誘い出せた」
【ケンタウロス族軍師】「はははは、ケイゼス様様だな」

 討伐隊の配置はケンタウロス族に丸見えになっていた。討伐隊の大きな戦力分布は次のようになっている。

 6時の方角・前衛『凍剣の雪女・ユキシロ』と母ユキナ。
 7時の方角・前衛『天才・アライド』
 8時の方角・前衛『保身が第一・ケイゼス』
 9時の方角・前衛『静かなる野獣・ゲイン』
 10時の方角・前衛『サイキックソルジャー・マゼラック』
 11時の方角・前衛『全身サイボーグ・バーン』
 12時の方角・前衛『自己愛の貴公子・ガルリアン』
 前・現剣聖の初期配置はこうなっていた。今は前衛の位置から中衛寄りに移動。ケイゼスは煙幕下に潜伏しており行方不明。

 6~9時の方角・中衛やや後方に青の騎士隊、約800人。
 9~12時の方角・中衛やや後方に赤の騎士隊、約800人。
 騎士隊は、初期は広域に配置させていたが、青の騎士隊は8時の方角に寄せる。

【ケンタウロス族軍師】「このまま8時に青の騎士団を足止め。本隊は7時の方角を突破する!」
【ケンタウロス族軍師】「ふぅ……第一候補の作戦で行けるとは。不幸中の幸いだな」
【ケンタウロス族軍師】「7時の方角の剣聖は『天才・アライド』。可能性を考えればここだろう」
【ケンタウロス族軍師】「スランプらしいな。剣聖選抜でも冴えなかった」
【ケンタウロス族軍師】「懸念材料は東部からの応援だが……」
【ケンタウロス族軍師】「東軍の様子はどうだオールカ?」
【オールカ】「はい。4時・前衛に大編隊を作っています。上手く“オトリ”に釣られています」
【ケンタウロス族軍師】「ならば、決まりだ!」
【ケンタウロス族軍師】「4時の方角に伝令を! 予定通り7時の方角から行く。立派にオトリを頼む、と!」

 一方、ケンタウロス族、約5300人の配置。
 12、2、6、10時各方角のオトリ役に約25人ずつ計100人。その7割が戦士。
 8時の方角に400人。ほぼ全員戦士。
 4時の方角に400人。ほぼ全員戦士。
 7時の方角・山頂寄りに本隊4400人が待機。本隊と言っても、その構成の半数はケンタウロス族が逃がすべきと考えている子供たちであり、戦士デビューをしていても三ツ星以下の者も多く、大雑把に一級の戦士2000人相当と言った戦力。

 ケンタウロス族にとっては港で船を奪っての『大陸脱出作戦』。その第1フェイズの『ケンタウロス高原脱出作戦』。敵情の完全把握と、煙幕により自分たちの状況を隠す事ができた有利を最大限に活かして作戦は進められていた。



◆26-6 夜

 9時の方角・中衛。

【キアル】「寝るよ。ネル。ぐっすりネル~。おやすみ~。すやすや」
 キルキルちゃんの夜は早い。

【エルチア】「おやすみ、キルキル。明け方までには終わっちゃうかな? 今回は出番はないかもね」

『殺戮衝動・キアル』五ツ星剣士。
 スペック14歳女。狂乱状態で精神的にも肉体的にもリミッターを外して戦う。愛称はキルキル。

『甘いアメと甘いムチ・エルチア』五ツ星ヒーラー。
 スペック17歳女。キアルの保護者。愛称はエルエル。

 ▼

 12時の方角・前衛。

【討伐隊】「いたぞ!」
【ケンタウロス族】「逃げろ!」
【ケンタウロス族】「ケンタウロス族に追いつけると思うな!」
【ケンタウロス族】「いや、一人付いてくる! ぎゃっ!」
【ケンタウロス族】「速い! えっ、消えた!? 逆側に!? うわっ!」
【ケンタウロス族】「ここまでか! ぐわっ!」
【サスケ】「夜の俺にこそ勝てると思うな!」

『闇に紛れる黒豹・サスケ』五ツ星忍者。
 スペック24歳男。豹獣族・黒豹。猫忍者の修行を受けた暗殺者。

【サスケ】「3人仕留めた」
【討伐隊】「はぁはぁ、さすが夜のサスケだ」
【討伐隊】「よっ、夜の帝王」
【討伐隊】「夜の男」
【サスケ】「いちいち“夜の”を付けるな。何かいかがわしく聞こえるだろ!」
【討伐隊】「ははははっ」
【討伐隊】「良し、丁重に運ぶぞ。あとは教会に任せよう」
【サスケ】「こっち方角はオトリみたいだな。折角のいい夜なのに大した活躍はできそうにない」



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