FGO感想~第2部 Lostbelt No.5―神代巨神海洋アトランティス 神を撃ち落とす日(ネタバレ注意)

 相羽です。

 今年からFGOの感想文章も実験的にEntyに書いてみたりしてみます。今回は全体公開です。

 TYPE-MOONのスマートフォン用ソーシャルゲーム、FGOこと『Fate/Grand Order』の感想・プレイ日記。

 今回は、メインシナリオ第2部第5章「神代巨神海洋アトランティス 神を撃ち落とす日」アトランティス編の感想です。

 以下、シナリオラストまでのネタバレ注意です。(本当に注意ね!)

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 今回の第2部第5章前半(たぶん)までのエピソード、ゲーム内のシャルロット・コルデーさんの「ボイス」欄に「絆Lv.5(2部5章アトランティス編クリア以降)」という記載があるので、「アトランティス編」というのが公式の正式な呼称なようですね。

 「自分を許せない」という事項が、シャルロットさん、千子村正さん(と、遠景に物語が重ねられているであろう依り代になっている衛宮士郎)、ぐだ男くん/ぐだ子さんとで、重ねられている構造になっていて、その点を解消していく物語力学で進んでいったエピソードだと思いました。

 どうして、「自分を許せない」という事象が発生してくるかというと、「世界の方が正し過ぎるから」。

 今回のギリシャ異聞帯は、あまりに「正しい」世界として描かれています。

 キリシュタリアが劇中で使っている言葉でいうならとても「正解」の世界なのです。

 そこと比べてしまうと、相対的に、この自分はくだらなくて無意味で「不正解」だとなってしまいます。結果、(不正解な存在である)「自分を許せない」という事項が立ち上がってきます。

 ぐだ男くん/ぐだ子さんは「正解」であるキリシュタリアを意識してしまい、なんかアキレウスさんに余剰なくらい回復使っちゃったりと、ちょっと焦燥に駆られてしまうのですが(「不正解」かもしれない自分はもっと頑張らなくちゃ! 的な)……。

 そんな「自分を許せない」(と焦燥的に感じてしまう)ぐだ男くん/ぐだ子さんを一歩解放するのは、実存的にはマンドリカルドさん(マイフレンド!)の役割になっていて、かなりじっくりとした対話パートが挿入されて、マンドリカルドさんも不正解の英雄だった、だけど、そんな無意味な自分でも意味がある……と、ちょっとぐだ男くん/ぐだ子さんを「自分を許せない」状態から楽にしてくれるように導いてくれます。

 「世界」の方の話をしてみると、たぶんギリシャ異聞帯はヘレニズム(特徴は「合理的」であると言われたりします)的な方向に進み過ぎた異聞帯として描かれています。

 正解、合理、そっちの方にばかり行き過ぎたら、この不正解で合理的じゃなくて無意味な自分って、人間って何なんだ、というようなテーゼがあぶり出される舞台構造になっています。

 現実のリアル人類史だと、ヘレニズム(合理)とヘブライズム(超合理……ざっくりとは合理的じゃないような超越的なもの)が合わさったものが「西欧文明」の基礎力学となっている……と(日本の高校の山川の教科書とかの史観とかだと)捉えられたりされますが、ここで、今回のエピソードで大活躍だった昨年夏に実装された七騎のサーヴァントの中に、ヘブライズム(ものすごくざっくりとは、かなりキリスト教がここには関係してきます)を象徴するようなサロメさんが入っているのは、なんか今後の展開への布石のような気もします。

 と、そんな遠景を感じつつ。

 今回のエピソードで、あまりにヘレニズム的、合理的、正解的なギリシャ異聞帯の「世界」に対して、ある意味、非合理、不正解、だけど美しいものとして描かれていた汎人類史側の事項が言ってしまえば「愛」で、それはキーキャラクターとしてはシャルロット・コルデーさんの物語を通して描かれていたと思います。

 彼女は、めちゃくちゃです。彼女自身のあり方自体が「不正解」的ですし、彼女を救うと決断したぐだ男くん/ぐだ子さんの選択も合理的・正解的だとは言えない。

 しかし、美しい。

 マンドリカルドさんの物語的な意味で勝者にはなれないとしても、不正解でも、合理的じゃなくても、汎人類史にあった「愛」は大事なものだったんじゃないか……と読み手に訴えかけてくるクライマックスになっておりました。

 リアルの方の史実のシャルロット・コルデーは、ジロンド派の議員たちの演説を聞いて影響を受けていました(藤本ひとみ『悪女が生まれる時』より)。

 ネガティブに捉えるなら、大きな存在による演説的(それこそ第2部冒頭のキリシュタリアの演説が連想されるような)影響力によって、ジャコバン派のジャン=ポール・マラーの暗殺にまでいきついたのが(史実の方の)シャルロット・コルデーだと考えられるかもしれません。

 そんな彼女が、大きな存在、マクロ的な影響力(エピソード的に直接的には、彼女を召喚したオデュッセウスの影響力として描かれる)を無効化して、「個人的な愛」に辿り着くまでの物語として収斂にいたっていたエピソードでした。

 そして、この「個人的な愛」こそは、シャルロットと同じく「自分を許せない」を抱えている(抱えていた)千子村正の依り代になっている衛宮士郎の物語上(主に「stay night」の桜ルート)の重要な要素であることは、「stay night」から追ってる読者には伝わるところなので、続く「星間都市山脈オリュンポス」で物語に関わってくる千子村正(衛宮士郎)の物語と、今回のシャルロットの物語がどのようにシンボルとして重なって描かれていくのかが、「オリュンポス編」の見どころだな~と思ったりしたのでした。



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