【2話】破滅願望【エロライトノベル】

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破滅願望   原作:M月  イラスト:朝凪  制作:fatalpulse
2話 取り調べ

 

──三日後。

 

 私は極限まで集中を研ぎ澄ませていた。余計な情報を遮断させ、ただ一つの感情を増幅させていく。殺意だ。他者を殺害しようとする意志。動機もなく、どころかそれを向ける対象すら居ない。それでも私は、淡々とそれを練り上げていく。

 

(……こんなものかしらね)

 

 スイッチは既に入っている。世界が反転し、視界から色が抜け落ち、余計な雑音は知覚できない。

 ハッキリと知覚できるのは、魔力と感情のみ。私は淡々と、練り上げた殺意を魔力と融合させていく。

 

 ……あの映像を見てから今日まで、私は全ての時間を準備に費やした。当然だろう、あんな男に身を委ねようとしているのだ。私がとち狂ってしまったことは最早否定しようがないが、保険は絶対に必要である。

 

 そのために今、私は術式を生成しているという訳だ。あの男が私に一定以上の殺意を抱いた瞬間、即座に昏倒させる呪いの魔術。

 

 練り上げているこの殺意は、そのための|閾値(いきち)だ。私が今抱いている殺意の強さを、発動条件とする。

 

 殺意と融合した魔力を、更に術式へと浸透させていく。術式が壊れないよう、慌てずに、ゆっくりと。そして──

 

「……ふう」

 

 世界が、元に戻る。

 

 完了だ。たった今完成した魔術を含めて、この2日とちょっとで独自魔術を3つも新規に開発する羽目になった。私が意識を失った瞬間にこの部屋まで強制転移させる転移魔術、対象が一定以上の殺意を持った瞬間に昏倒させる呪いの魔術、それからおまけの魔術を1つ。

 

 さすがの私も、高難度に位置する呪いや転移に条件式を適用させた独自魔術をこの短期間で開発するのは骨が折れた。それでもなんだかんだと出来てしまうあたり、私の優秀さが伺えるというものだろう。いや、さすが天才。

 

「──それにしても」

 

 やり終えた達成感と共に、ふうと一息ついた私は、部屋の片隅にある姿見に映った私自身を眺めた。

 腰まで伸ばした柔らかな金髪。整った顔立ち。豊かに育った胸。そして白く透き通った肌──まあこれは、外に一切出ていないという不健康な理由からだろうけど。

 

 率直に言って、私は美少女だと思う。自分で言うのもどうかとは思うが、これは客観的な評価だ。変な謙遜はしない。……唯一の悩みは、齢15にもなって陰毛が生えてきていないことだけど、人に見られるような部位ではないことが不幸中の幸いといったところか。

 

 それに、悩みといえばもう一つ、最近になって気になるはじめたことがある。

 

「…………」

 

 おもむろに胸を揉むと、緩やかな快感がじんわりと広がっていく。

 やっぱり以前と比べて、明らかに感度が向上している。が、それ自体は別にいい。自分で慰めるときだって、何も感じないよりは気持ちいい方が良いに決まってるから。

 

 ただ──

 

 むにゅりと、手を目いっぱいに広げて鷲掴みにするが、ハッキリ言って手に余るサイズだった。

 この大きさは元々からではない。およそ半年ほど前から、一気に成長したのだ。

 そしてそれは、ちょうど私が自慰を覚えた時期と一致する。

 

「く、……っう」

 

 乳首を摘まんでみれば、途端に声を我慢しきれない程の強い快感に襲われる。

 別に自慰が目的ではなかったので、すぐに手を離した。続けていると、簡単にスイッチが入ってしまうし。

 

「……はぁ」

 

 乳房と、乳首と──そして乳輪が、それぞれ元のサイズと比べて一回りは肥大化していた。

 自慰との因果関係が確定しているわけではないが、私はその可能性が濃厚だと思っている。

 

 別に胸の大きさにこだわりを持っていたわけでもないのだけど、それでもこれ以上は育ってほしくないと思っている。

 単純に邪魔だし、見栄え的にも度が過ぎれば美しさを損なう。

 

 それに──見えない部分についてはともかく、胸のサイズがここ半年で一気に大きくなったことは、私に近しい人間はもちろん、城内の関係者で私と少しでも関わるような者には、とっくに気付かれていると思う。

 

 それが、無性に恥ずかしかった。

 私が半年前にオナニーを覚えたこと、それから暇を見つけては自慰に明け暮れたこと、共に公言してしまっているような気がしてなからかったから。

 

「…………」

 

 

 大丈夫、胸を揉めばそのぶん大きくなるなんて、迷信に決まっている。

 実際、規格外に大きな胸を持つ母親の遺伝だろう、自慰のせいなんかじゃない、と自分を言い聞かせた。

 

 

 私は改めて鏡に映った自分自身の姿を眺める。

 

 無表情でいるはずなのに強気さが伺えるその顔立ちは、私の内面をよく表していると思う。プライドが高くて、負けず嫌い。私は誰にも負けたくない。だから、誰にも負けない。

 

 正直なところ、私は周りの人間なんて大半が無能だと見下している。……いや、周りが無能なのではなく、私が優れていると言うべきか。ここまでくると自惚れになってしまうかもしれないが、しかし事実、王城内に私より優れた魔術師なんて存在しない。

 

 だというのに。

 

 私は今から、遥かに格下の屑に犯されようとしている。

 

「……言い訳なんてできないわね」

 

 かつて話したことのある同年代の馬鹿女達ですら、ここまで悪趣味ではなかっただろう。私が優秀であることに変わりはないので、あのレベルまで落ちたなどとは欠片も思ってはいないが、それでも褒められた趣味ではない。

 

 ──けれど、もう駄目なんだ。

 

 メイドが犯される場面を見てしまったあの日から今日までずっと、あの男に犯されることを想像しただけで、身体が火照ってしまう。それが屈辱だと感じる理性は残っているというのに──いや、だからこそ。私は興奮してしまうのだ。

 

 ああ、玩具に処女を捧げた時点で薄々気づいてはいたけれど。どうやら私は、相当な変態であったらしい。

 

 認めよう。

 

 私はあいつに犯されたい。

 

 褒めるべき点なんて何一つ見当たらない、ほぼ全てが私よりも劣っているあの男に。下らない自尊心で父と私を目の敵にし、幼稚な嫌がらせを幾度となく仕掛けてきたあの男に。

 

 馬鹿にされながら、見下されながら、死にたくなるような屈辱を与えられながら、犯されたい。

 

 (う……)

 

 そこまで考えたところで、身体がブルブルっと震えた。完全に期待してしまっている。仮に一度慰めて冷静になったとしても……恐らくもう無理だろう。この好奇心を堪えることは最早不可能だ。

 

 

 と、そのとき扉を叩く音が部屋に響いた。

 

「リア様、セラです。緊急のご報告が」

 

「入って」

 

「失礼します。ユピテル様とセレス様が、先ほど王城を後にしました」

 

 ユピテルとは私の父で、セレスとは私の母だ。

 セラは一目でわかるほどに焦っている。それほどまでに大ごとなのだろう。最も、私は魔術開発と並行してあの二人の計画を調査していた為、既に何が起きているのか知っているのだが。

 

 けれどセラは、今日初めてその情報を知ったはずである。なぜなら、三日前にゲルウェンとバルガスが密会をしていたことも、その内容も、私の魔術によって記憶から消されているからだ。

 

 加えて、今日までの間に何かを察知したとしても意識しないように暗示をかけておいた。そうしなくては、密会の記憶が無くともすぐにバルガスとゲルウェンの計画に辿りつく可能性が高かった故の措置である。

 

 両親には、王城の魔術師としてとある任務が与えられていた。その為外出自体はずっと前から予定されていたことであり、バルガスとゲルウェンが今日を報復決行日としていたのは、まず間違いなく両親の外出に合わせたのだろう。

 

「同時に、第三騎士団長のバルガスが不穏な動きを始めました。尾行したところ──ユピテル様とセレス様を国王暗殺者として陥れようとしていることがわかりました。申し訳ありません、ここまでの大がかりな陰謀に今まで気付けなかったのは、完全に私の落ち度です」

 

「……」

 

 予想、いや、予定されていた通りの報告を行うセラ。両親が王城を後にしたのはたった1時間前だ。そこから即座にバルガスの動きに気付き、あまつさえその内容までも正確に掴むのは流石という他ない。

 

「……そう。セラ、急いでお父様とお母様の下に向かって、それを伝えてきて」

 

「お二人の下にですか? ですが──」

 

「こっちは私に任せて。説明している時間は無いけれど、あの男の好きになんてさせないから。それよりも、今すぐに行って。一刻も前に出発しているのだから、急がないと追いつけないわ」

 

「……わかりました。くれぐれも、お気をつけて」

 

「ええ。セラもね」

 

 そうして、部屋から出ていくセラ。これで、私を守る人間は……

 

 一人もいなくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけたぞ、小娘」

 

「……またゾロゾロと、何でしょうか。今日は魔術の鍛錬日のはずですが?」

 

 半刻後。訓練場まで足を運んでいた私は、バルガスを筆頭とした、第三騎士団の兵士達に取り囲まれていた。

 

「魔術師、リア・アズライト。王族暗殺犯容疑者の娘として、貴様を拘束する」

 

「……はい?」

 

「おっと、残念だが証拠と思わしき物も見つかっているのでな、大人しくしていた方が身のためだぞ。まあ、抵抗するのならばそれはそれで構わんがな。くっく……」

 

「……」

 

 これが、私への報復計画として立てられた筋書きだ。捨て駒を用意して、父と母が王の暗殺を企んでいると告発させる。証拠もあるとなれば、騎士団が動く。いや、動かざるをえない。

 

 無論、そんなものは根も葉もない捏造だし、正式に調査が開始されればすぐに疑惑は晴れるだろう。だがその間、親族である私は当然拘束される。それこそがバルガスと、ゲルウェンの狙い。

 

 王暗殺などという大それた嫌疑をかけられては流石に抵抗するわけにはいかない。そしてここまで大事にしつつも、バルガスの立ち位置は騎士として容疑者を拘束、調査を行ったというだけのことである。

 

 両親の嫌疑が晴れた後に罪に問われることはないだろうし、何かあるとしてもそれは用意した捨て駒の方へと向くのだろう。そして当の捨て駒については適当なタイミングで始末してしまえば、黒幕であるゲルウェンとバルガスまで辿りつくことはないということだ。

 

 まあ、罪人ではなくあくまで容疑者の拘束であるため、本来であれば私の身はある程度保障される。刑に処されるだとか、情報を吐かせるための拷問を受けるだとかは、容疑が確定した後の話だ。

 

 だが、言うまでもないことだが、今回に限ってはそうはいかない。このまま大人しく私が着いていけば──

 

 (……)

 

 それを考えた瞬間、下腹部の奥が、キュンと疼いたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──取調室。

 

 抵抗せずにバルガスに続いて部屋に入ると、直後にバタンと扉が閉じた音がした。誰かが入ってきた気配はない。この男との二人きりだ。

 

 小さな部屋に、小さな机が一つ。そして両脇には丸椅子が置かれており、その他には何もない。大人しく椅子に座ると、対面側に座ったバルガスがなみなみと液体が入った小瓶を机の上に置いた。

 

「さて……。これから貴様には取調べを受けてもらう。が、その前に、これを飲んでもらおうか」

 

「……これは?」

 

「何、ただの魔力拡散薬だ。さっさと飲め」

 

 (魔力拡散薬……ねぇ)

 

 私を暴れさせないため、という建前なのだろうが、例の媚薬入りなのは間違いない。

 

 実際のところ、ただの魔力拡散薬ならば魔力を収束しにくくなるだけで私であれば魔術は行使できる。だがあの媚薬が含まれているとしたら、私は恐らく抵抗できないだろう。

 

 魔術を使える使えないの話ではなく、目の前の男に犯されるという|屈辱(ゆうわく)に抗い切れなくなる。逆に言えば、まだ理性が残っている今が最後の分水嶺だ。

 ここまで来て何を今更、と思わなくもないが、しかしここまで来てしまったからこそ、迷いが生じる。

 

 妄想だけならばいい。けれど、それを本当に受け入れてしまったら──私は、一生消えない汚点を背負って生きていくことになる。

 

 当然事が済めばこの男やゲルウェンは始末するつもりだし、他に知っている人間がいれば消すだけなのだが、しかしそういう問題ではないのだ。

 

 まず他ならぬ私自身が知っているし、例え自分の記憶を消したとしても、こいつに汚されたという純然たる事実は消えはしない。

 

「……まだ、私は罪人ではないはずですが」

 

「ふん。罪人でなくとも、武器は押収する。魔術師である貴様の武器は魔力だろう。つべこべ言わずにとっとと飲め、小娘」

 

「……」

 

 じゅん、と。下着を汚した感触がした。

 

 (──ふ)

 

 心の中で自嘲してしまう。いや、本当に今更だった。つい半刻ほど前に考えたばかりではないか、私はもう駄目なんだと。

 

 仮にここで冷静になって目の前の男の魔の手から逃れたとしても、最早関係ない。暫くはこれまで通りに自慰で誤魔化し続けることになるのだろうが、いつか必ず限界が来る。

 

 魔術でこの歪んだ性癖を消し去るという手段もあるにはあるが、果たしてそれを私が選ぶかどうかと言えば──考えるまでもない。だって、これまで機械的に生きてきた私に、唯一芽生えた楽しみなのだから。

 

 そう、結局の所。

 

 遅いか早いか、ただそれだけの違いなのだ。

 

「……」

 

 私は、目の前に置かれた魔力拡散薬(びやく)を、グイと飲み干した。

 

「ぅ……」

 

 瞬間、胃の中がカッと熱く火照りだす。……成程。無理やり襲われたメイドがあそこまで乱れたことから、余程強い薬なんだろうということは想像できていたが、まるで強い酒を飲んだときのような刺激だ。一年前の成人の儀の時に初めて飲んだお酒もこんな感覚だった。

 

「飲んだな」

 

 バルガスがにやりと笑う。私は無言でジッと睨み返すと、癪に障ったのか笑みを潜め、面白くなさそうに吐き捨てた。

 

「ちっ……相変わらず生意気な面だ」

 

「……それはどうも、申し訳ありません。生まれつきなもので」

 

「ふん。……まあ、今回ばかりはその強情さが仇になったのだがな。突っ張る相手を間違えたな、餓鬼が」

 

「……どういう意味でしょうか」

 

「あの老いぼれはゴチャゴチャと煩わしいことを抜かしていたがな……俺は回りくどい真似は嫌いなんだ。本来、貴様程度にここまで下らぬ策を弄する必要はなかったというのに」

 

「……仰る真意はわかりかねますが、ご自身の言動には少し気を使った方が良いのでは? 今の口振りでは、まるで──」

 

「ふん。単刀直入に言うぞ、貴様の親の命はこの俺が握っている」

 

 バルガスは私と会話する気がないとでも言うかのように遮り、そう言い放つ。茶番でしかないが──私はもう、こいつの思惑通りに動くことしか考えていなかった。

 

「貴様のような生意気な餓鬼がここまで大人しく着いてきたのも、大方すぐに解放されるとでも思っていたからだろう。だが残念だったな、証拠は全てこちらが用意したものだ。このままであれば貴様達一家はすぐに処刑されるだろう。国家反逆罪──それも、国王暗殺未遂などというとびきりの汚名を背負ってな」

 

「……成程。騎士の割には人間ができていないとは思っていたけれど──ここまで屑だったのね」

 

「くはははっ! 口の利き方に気を付けろよ、小娘! 俺の機嫌を損ねれば、貴様達の命は消し飛ぶのだぞ」

 

 その内容とは裏腹に、愉快さを押し切れないと言った様子で叫ぶバルガス。

 

「……」

 

「状況は理解したか? 貴様達が助かる道は一つ──この俺に、服従することだ」

 

 心臓が破裂しそうな程に強く胸を打っている。

 

「……冗談。誰が、アンタみたいな男に」

 

「くっく。ならば、親を見殺しにするか?」

 

「……っ」

 

 ニヤリと笑ったバルガスが、机を横に蹴とばした。ビクリと反応した私は、咄嗟に椅子から腰を浮かせて半歩後ずさる。

 

 バルガスは軽く笑みを浮かべながら、カチャカチャとベルトを外しはじめた。

 

「なんのつもりっ!」

 

「何、往来より女とは男の慰み物と決まっている。それを理解していない貴様に、自分の身の程をわからせてやろうと思ってな……まずは、舐めてもらおうか」

 

「ふざけっ……近づかないで! それ以上近づいたら、容赦しないわ!」

 

「くははは……わかっているのか? 俺の言う事に従わなければ、貴様共々一家の命はないのだぞ」

 

 あくまで私は無理やり襲われなければいけない。例え脅されようと、バルガスの目的が私を犯すことである以上、ただ抵抗を続けていればいい。そのうち焦れて襲い掛かってくることは間違いないのだから。

 

 だから、ここで私は抵抗しなければいけなかった。単純に暴れるか、逃げ回るか、もしくは制御が効かないフリをして半端に魔術を行使してみてもいい。

 

 とにかく抵抗さえするのであれば、私のとる選択肢は何でもよかったのだが──

 

 ベルトが外れ、ストンとズボンがズリ落ちたのを目にした瞬間、私は固まってしまった。膨張したバルガスの男性器が、下着を押しのけ、その先端を露わにしていたのだ。

 

「くく、生意気な貴様を躾けられると思うと、年甲斐もなく滾ってしまうな。おや、なんだ、コレが気になるか?」

 

「────、ぅ、ぁ」

 

 嘲笑しながら、下着を脱ぎ捨てるバルガス。今すぐこいつを罵らなければ、抵抗しなければと理性は訴え続けているのだが、動けない。私は腰を抜かしたかのように尻もちをついてしまっていた。

 

 男性器。雄の、性器。メイドが犯されているのを見たときは、既に繋がっていた為、こうしてマジマジと全貌を見るのは初めてだ。

 

 なんて歪なカタチをしているんだろう。大きさも、愛用している張り型よりも一回りは大きい。私の性器が疼いてしまっている。待ち望んだモノが目の前にあるのだ。今から私の中に、アレが入るのだ。

 

「ぁ……い、今すぐ離れないと、ただじゃ……」

 

 ずりずりと、尻もちをつきながら後ずさっていた私の背に壁がぶつかる。いつの間にか部屋の隅まで来ていたらしい。バルガスはそんな私に構う様子もなくスタスタとこちらに近づき、そして──

 

「さあ。舐めろ」

 

 少し顔を寄せれば触れてしまう程の近距離に、バルガスの、雄の性器が、ある。

 

「はぁっ、はっ……」

 

 (な、なん……め、目が、離せない……)

 

 息を荒げながらも、視線を動かすことができない。目の前にさらけ出された雄のシンボルに、釘づけになってしまっている。これじゃあ、まるで私が男の汚いモノを見せつけられて興奮しているみたいじゃないか。欲情してしまっているみたいじゃないか。

 

 心臓の音が、何度も何度も爆発しているかのように煩い。

 

「どうした。早く舐めろ」

 

 ありえない。ここで大人しく従ってそんな真似をするのは、私ではない。いくら抵抗できない状況とはいえ、そんな無様な真似を私はしてはいけない。無理やり穢されないといけないのだ。

 

 目前に晒された男性器から、むわぁっとむせ返るような匂いが、鼻孔に届いた。

 

 (あ、あ、あああっ……♡)

 

 臭い。臭い。なんて醜悪な臭い。これが雄の性器が発する臭いだというのか。吐き気を催しかねない臭さであるにも関わらず──私の膣は、ぴくぴくとひくついていた。

 

 呼吸と共に臭いを吸い込む度に、じゅん、じゅんっと、子宮が鼓動し、愛液を分泌しているのがわかる。下半身が、切なく疼いてしまっている。意味が解らない。いい匂いだと感じているわけでは断じてないのに。本当に臭い。気を抜けば嗚咽してしまいかねない程の悪臭である。だというのに、私の下半身は反応してしまっている。

 

 いや、生物学的に考えるのであれば、何も不思議なことではない。動物は種を残すことが生きる上での主目的なのだから、異性の匂いで発情してしまうというのは、理に適っている。

 

 ──私が?

 

 他者を見下し、実際にそれが許されるだけの能力を持ち、知る限りでは並び立つ者なんていないほどに魔術を極めて、天才だと持て囃されて。

 

 そんな私が、ああ、こんな醜いモノを見せつけられただけで、

 

 (は、発情、してる? こいつの性器を見て、匂いを、嗅いで?)

 

 ──ゾク、ゾクン。

 

「くく……迷うことはない。何せ貴様は、親を人質に取られているのだからな。俺の言うことに従わなければ、いけないのだ」

 

「ぁ……ぁ……♡」

 

 フルフルと全身を震わせながら、私は顎を上げるようにして口元を男性器へと近づけていく。

 

 (何をしているの、私は……今すぐ突き飛ばして、コイツ自身に襲わせるように仕向け、て……)

 

 確かにそう思考しているはずなのに、行動が伴わない。僅かに舌を突き出して、、小刻みに震えつつ、バルガスの性器へと徐々に近づいて────

 

 チロリと、舌が、触れた。

 

「……ッ」

 

 しょっぱさと苦さが合わさったような気持ちの悪い味と共に。脳に、ビリビリとした痺れが走った。

 

「く……くく、くははははッ……! 小娘ッ、いいザマだな!? どうだ、男の逸物を舐めさせられた気分はッ!」

 

 舐めた。舐めてしまった。こんな男のペニスを。逆らえないという状況こそ用意されていたものの、無理やりではなく、自ら舐めたのだ。要するに前戯である。性交をする前の、準備のための行動。それはつまり、今から目の前の男を受け入れますという意思表示であり、これ以上無い服従宣言だ。

 

 違う、違う、こんなつもりじゃないのに。

 

「はぁっ……黙れ……んぅ……」

 

 痺れが止まらない。身体への直接的な快感ではなく──

 

 脳が。ゾクゾク、ゾクゾクと刺激され続けている。

 

 チロチロと舐める度に背筋から脳へと駆ける痺れ。それに陶酔していると、バルガスが腰を押し出し、汚らしい性器を無理やり私の口内にねじ込んできた。

 

「むぐぅっ!?」

 

「くっくくく……今だけはその無礼な口利きも許してやろう。今の貴様に何を言われたところで、気分がいいだけだからな」

 

 バルガスの性器の臭いが、私の口の中に充満する。

 

「……っ、……ッ」

 

 意外にも、というべきか。明らかに興奮してしまっているが、同時に目の前の男に対する怒り、悔しさ、嫌悪感が、私の感情を占めている。それはそうだろう。本来であれば、こんな男の性器を口に含まされるなど、ありえないことだ。あってはいけないことだ。それも、これ以上無いほど最低で、嫌いな男に。

 

 以前の私であれば、自害してもおかしくない状況である。いくら変態的な願望に目覚めてしまったとはいえ、私が私でなくなったわけではないのだ。こんな男に屈することを許さないと訴える私のプライドは、私の心にまだ在り続けている。

 

 そんな私(プライド)が、心の中で叫び続けている。ありえないと。こいつを今すぐ殺せ。後悔させる間も与えずに絶命させてしまえと。魔力拡散薬なんて関係ない、私ならそれができる。

 

「ちっ……歯を立てるな」

 

 偉そうに私に命令してくるバルガスを上目づかいで睨みつけると、バルガスはニヤリと嘲るように私を見下してきた。そして次の瞬間、私の頭を両手で抑えつけると、激しく腰を前後に振ってくる。

 

「ふむぅーーッ! んむっ、ぐっ、ごふッ!!」

 

 ゾク、ゾク。

 

「くくく……碌に奉仕もできぬようだからな、俺が勝手に使ってやる。有難く思えよ」

 

「かっ、うぐ、んごふっ!」

 

 ゾク、ゾク、ゾクッ。

 

 つぅ、と、頬を涙が伝った。苦しい。悔しい。気持ち悪い。なのに、これは。

 

 身体が、いや……心が、喜んでいる。

 

 直接的な快感は一切ない。乱暴に口の中を汚されて、ただただ苦しい、本当にそれだけだ。

 

 ──だと、いうのに。

 

「おぐっ……おごっ……!♡」

 

 脳が掻き混ぜられているかのように、異常な程の痺れを感じている。何だ、これは。

 

 気が付けば、壁にもたれかかるようにしていた姿勢から大分ずり下がっており、今や頭部と肩あたりしか壁に接していない。ほぼ床に横になっているような状況だ。バルガスはそんな私の頭を抑えつけて、強引に私の口を犯している。

 

 そんな屈辱的な状況を改めて認識すると、更に痺れが増す。犯されることで無理やり気持ちよくさせられてしまうというのは予想していた、というより、それを望んでいた。

 

 だがこんなものは、望むどころか想像すらしていない。身体はただ苦しいだけなのに、脳がビリビリと痺れて、心地いい。

 

 いや。そうだ、これは──

 

(きっ……気持ち、いい……ッ♡)

 

 知らない間に、腰が浮いていた。乳首は服の上からわかるくらいに固く尖り、下半身からはダラダラと液体を垂れ流れている。

 

「んぐっ……ふむーっ♡ んふーっ♡」

 

 ジュポジュポと、男性器に私の唾液が絡まる音が響く。口を強引に犯されながらも私は、歯を立てないように細心の注意を払って、バルガスに奉仕する。意図的に。

 

 直後、私の心を占めているストレスが更に増幅し、同時に、脳の痺れが強くなった。

 

(は、ははっ……苦しくて、ムカつくのに、気持ちいいぃ……♡)

 

 やばい。私は本当に変態なのかもしれない。苦しくて仕方がないのに、脳で感じるなんて。これはさすがに異常なのではないだろうか。

 

 身体の反応にショックを受けつつも、その理由はハッキリとしている。私だって、ただ苦しいだけでこんなことにはならない。例えば愛用の張り型を強引に喉奥まで何度も突っ込んだとしても、今私の脳を暴れまわっているこの痺れは全く生じないだろう。

 

 そう、理由なんて決まりきっている。この男にこんな屈辱的なことをさせられているから。その状況に心が興奮しすぎて、快感を生みだしているのだ。そうとしか考えられない。肉体的には苦痛でしかないのに、心が、喜んでいる。

 

「くはははっ……! 気分がいい! まだまだこんなものではないぞ、これからたっぷりと躾をしてやるからなッ!!」

 

 ゾクゾクゾクッ!

 

 バルガスに蔑まれると、脳に、背筋に、異常な痺れが走る。やっぱり、そういうことなんだ。

 

「んぐぅーっ! んぅ、うぅっ!!」

 

 ジタバタと、全力で暴れてみる。が、私の細腕にとっては圧倒的ともいえる力で抑えつけられ、抵抗と言えるほどの抵抗にもならずに口を犯され続ける。それが、今の私の現実。

 

 (ち、力が、入らな……)

 

 身体が抵抗したくないと訴えているとでもいうのだろうか。元よりさして力があるわけではないが、徐々に力が抜けていく。

 

 私の頭を抑えつけているバルガスの腕に抵抗していた私の腕が、パタリと床に落ちた。最早、完全に為されるがままだ。

 

「ふん、やはり小娘の口程度では物足りんな……そら、苦しいか? そら、そら!」

 

「ごぷっ!♡ おごっ、ぐっ、んむっ、おええっ!!♡」

 

 ああ、やばい、これ、やばい、出る。やばい、やばい。

 

 (う、嘘っ……)

 

「くくく……なんとみっともない面よ。下らん澄まし顔よりもお似合いだぞ、小娘ッ! ふははははっ!」

 

 バルガスの、愉悦たっぷりの声が届く。

 

「うごぉッッ……♡」

 

 じわあああああ。

 

 下着が、愛液とは違う、温かい液体で溢れた。そして次の瞬間、下品な音を部屋に響かせる。

 

 じょわ、びちゃ、びちゃびちゃびちゃびちゃっ。

 

「むっ……」

 

 バルガスが気付く。それは。下着のまま放尿(・・)してしまった音に間違いなくて。

 

「おい、貴様……」

 

 じょろろろろろ、じょろ、ろろ……。

 

 下着を突き抜けて勢いが削がれた液体が、弱々しく床を濡らしていく。

 

「う……あ……」

 

「く──ははははははッ! まさか、漏らすとはなッ!!」

 

 私の口から、ズルリと性器が引き抜かれる。濡れたペニスが勢いよく揺れながら飛び出し、私自身の唾液が顔にパタパタと飛び散った。

 

「はぁっ……はぁっ……げほっ!」

 

 碌に呼吸ができていなかった私は、咳き込みながらも涙目で酸素を供給する。

 

「ふははは……貴様がこれほどまでに無様を晒すとは……」

 

 バルガスは心底愉快そうに私のスカートに手を突っ込むと、そのまま勢い良く下着を脱がしてきた。そして何かに気付いたかのように、バルガスの動きがピタリと止まる。ここまでの醜態を晒してしまった私に最早抵抗する気力はなく、グッタリと横になったままだ。

 

「くっ、くくくくっ……おいおい貴様、どこまで俺を笑わせれば気が済むのだ。赤子のように漏らしただけではなく、よもや生えていないとは……いや、小娘とは思っていたが、まさかここまで餓鬼とはな。貴様、それでも成人した女か?」

 

 かぁっと顔が熱くなる。

 

「うるさい……見るなぁっ、変態、人間の、屑ッ……!」

 

 私は弱々しく両手で顔を隠して悪態をつく。未だ生えていないことを知られてしまうのは覚悟していたことだ。どうせ殺すのだから、と堪えていたが、私の唯一のコンプレックスといってもいい事実を馬鹿にされ、私は興奮よりも先に、激しい羞恥に襲われていた。

 

「くくくっ……衣服の上からでもわかるくらいにココを固くしておいて、よくもそんな口が利けたものだな」

 

 そのとき。

 

 脳が感じるという予想外な出来事に続いて、またも予想しえなかったことが起こった。

 

 くにゅぅ、と、両胸の先端に刺激が与えられる。漏らした上に無毛を知られ、余りの恥ずかしさに顔を隠していた私からは見えなかったが、恐らく両乳首を摘ままれたのだろう。だが、それを理解する前に、絶叫した。

 

「きゃううううううううううッ!?♡」

 

 ビクン! と上半身が跳ねる。何が、起きたのか。

 

「おやおや、なんだ今の鳴き声は」

 

 くり、ぐにゅ、ぐい、ぎゅう。私の乳首が、好き放題こねくり回されている。

 

「あひっ、ちがぁっ、ちっ、んひぃぃっ、あぁっ、んやっ、にゃっ、やめぁぁっ……」

 

 (なに、なにこれ、なにこれ、なにこれぇっ……♡)

 

 身体がビクンビクンと跳ねさせられている。乳首から暴力的といっていいほどの快感が雪崩こむ。今までに何度も弄ったことのある部位ではあるけれど、あくまで性器の補助的なもので、ここだけでは満足できるほどの快感は得られない──と、思っていた。

 

「ひっ、ひぃぃっ♡ やぁっ、んはぁっ……!」

 

 先ほどまでの痺れとは全く違う、外的な刺激による、圧倒的な快感。なんて気持ちよさ。

 

「くくく……いいか、小娘。これが女というものだ。貴様ら女どもは、男に嬲られればそれだけで無様によがる生き物なのだ。自らの身の程というものを、しっかりと理解しろ」

 

「ひやぁああああっ♡ ふっ、ふざ、ああぅんっ!?」

 

「どうした。言いたいことがあるのなら遠慮なく言ってみるがいい」

 

 不意に、今まで転がされるように弄られていた乳首が強く、ぎゅうううう、と無遠慮につねられた。

 

「っくうぅぅぅ!♡」

 

「くくく……ご満悦か? 随分と気持ちが良さそうだな」

 

 バルガスの言葉に、またしても脳が痺れてしまう。そのせいか、更に乳首の快感までもが増した。さっきまで、こいつに嬲られるという屈辱だけで精神的に蕩けてしまっていたというのに、こんな快感と合わさってしまったら──。

 

 小水でびしゃびしゃになってしまっている私の性器から、ぷしゅっと尿ではない液体が漏れた。物理的にも、精神的にも溶かされてしまった私の身体が、喜んでいる。

 

 (や、ばい……きっ……気持ちよすぎるッ……!)

 

 私はなに一つの抵抗をせず、ただただ与えられる快感を貪欲に味わっていた。全身の力が抜け、バルガスの手によって乳首が歪に形を変える度に、ガクガクと身体が震えてしまう。

 

 するとバルガスの手の動きが、乳首だけを弄るのではなく、私の両胸を鷲掴むようにしての愛撫へと変わった。それによって、無理やり声を絞り出されるような狂おしい刺激が和らぎ、甘い快感が胸から上半身へとじわじわ広がっていく。

 

 未だ保たれ続けていた怒りと悔しさに、不純物が混じりはじめた。破裂しそうな程に胸を打ち続けていた鼓動が、やや締め付けるようなものへと変化していく。

 

 (くう、うう、この、感情は──)

 

 ──切ない。

 

 そう、切ないのだ、これは。

 

「ふわああああああっ……♡」

 

 くりくりくりくりくり、と固くなった乳首が弄られて、恍惚とした声がでてしまう。

 

 頭がぼうっとする。視界はモヤがかかったようにぼやけ、胸が、子宮が。キュン、キュンと疼いている。

 

 自身の手だけじゃ到底得られなかった気持ちよさ。忌むべき相手の手による愛撫に、否応なく昂ぶらされていく。だんだんと思考ができなくなってきた。

 

 (あ、ああぁぁ……、たっ、堪らない……♡ これっ、切なすぎて、駄目になるぅ……っ)

 

 なんて、単純。先ほどバルガスは言った。女は男に嬲られれば無様によがる生き物なのだと。

 

 悔しいけど、否定したいけど。

 

 それは恐らく、正しい。そもそも雌の役目は、雄の子を孕むことだ。であれば、雄に可愛がられて本能レベルで悦んでしまうのは当然と言える。

 

「ふん……そろそろ理解できてきたか? 自分の身の程をな」

 

 そう、そうだ。所詮私は女で、雌。胸を乱暴に揉まれて、小刻みに震えながらダラダラと愛液を垂れ流している今の私が、それ以外の何だというのだろうか。

 

 こんなヤツに”男”を感じて、私という”女”がメロメロにされている。泣きたくなるほどに屈辱的なのに、溶けてしまうのではないかと思うほどに脳髄が痺れきっている。身体は切なさに支配され、目の前の雄を欲しがっている。

 

「あはあぁぁぁ……♡ だっ、だめへぇぇぇ……♡」

 

 いつしか聞いた、男に媚びきったような甘えた声。そんな情けない声を、この私があげさせられてしまっていた。私の性癖がこれ以上無いほどに満たされている。

 

 それを示すように、床に横たわっている私の両脚がいつの間にか大きく開き、がに股になっていた。バルガスに動かされたわけではない。男を求めて、下半身を無意識に広げていたのだ。すぐにペニスを、受け入れられるように。

 

「くくく……物欲しそうな面をしているぞ、小娘。どうだ、これが欲しいか?」

 

「ぁ……」

 

 バルガスが私の胸から手を離すと同時に、喪失感を覚えてしまう。が、すぐに意識がうつる。バルガスが自身の性器を片手で握り、私の性器に近づけてきたからだ。

 

 (欲し、いぃ……)

 

 なんとか言葉にするのは抑えて、心で叫ぶ。

 

 ついに、ついに、ついについについに。

 

 この男に、魔術師というだけで幼稚な嫌がらせをするような、薬を盛って無理やりメイドを襲うような、それでいて私に数段劣るこんな最低の屑に、犯される!

 

「はっ、はっ、はっ♡」

 

 最早期待してしまっていることがバレバレだろう。息を荒げて頬を赤らめ、涎を垂らしながら股を広げたまま、私の視線は再びペニスにくぎ付けになり、ただただ挿入されるのを待っている。

 

「くくく……欲しかったら、その口で俺に頼んでみろ。どうか挿れてください、とな」

 

 バルガスは私の状態を見透かしたような笑みを浮かべて、私を見下ろす。

 

「う……うぅっ……」

 

 ゴクリと、喉がなった。そして、私は──

 

「ふざけ、ないでっ……! 死ね、屑っ、アンタは絶対に許さない、告発して、騎士団長なんて立場では居られなくしてやるからっ……!」

 

 平常時であれば間違いなく激怒していると思われる私の言葉に、しかしバルガスはふんと鼻でと笑うと、私のだらしなく菱形に広げてしまっている脚の付け根、股に手を突っ込んできた。

 

 ごちゅん!!

 

「おっひ♡!?」

 

 なんて声を、なんて思う間もない。あっという間に膣に侵入してきた、太くゴツゴツとした二本の指が、私の性器を蹂躙した。強引に。乱暴に。

 

 自分で慰めるときとは全く違う、私の身体を一切顧みない暴力的な愛撫。

 

 ごちゅっ! ぐちゅ! ぐちゅっ!

 

「アヒャああああっ!! だっ、やめっ!♡ っあーーーー!!♡」

 

 神経が焼き切れたのかと錯覚させられる。もはや声を我慢するだとか、そんなレベルではない。バルガスの指が動く度に、強制的に叫ばされてしまう。痙攣させられてしまう。

 

 ぶしゃっ、ぷしゃっと股間から液体が飛び出る音がする。女性を労わることなどまるで考えていないであろう指使いに、ありえないほど気持ちよくさせられている。これは、こんなものは愛撫ではない。自分勝手な、男が嗜虐心を満たすためだけの辱めだ。

 

「くぅぅっ、それ、やめへっ……♡ だっ、あっ、あぁ~~~っ……♡」

 

 ぐじゅ、じゅく、ごり、ぷじゅッ!びゅっ、びゅしゃぁっ!

 

 容赦なくバルガスの指が私の膣壁を強くなぞる。たったそれだけで私は全身をガクガクと震わせ、下半身から恥ずかしい液体を次々と垂れながしていく。余りの快感に身体が強張り、股は水平に近い角度で開いていた。

 

 ぐぽっ ぐちゅっ! ぶちゅんっ!

 

「随分と浅ましい姿だな? ……なあ小娘よ、貴様、忌々しくもこの私を軽んじていただろう」

 

「あふっ……? あっ、ひあっ、くぁあああっ……!」

 

「思い出すだけで憎々しいがな。貴様はそういう目をしていた。他者を全てゴミと思っているかのような、私をまるで価値のない人間であるかのような」

 

 唐突にバルガスが語り始める。同時に手の力が弱まり、私の性器から送られてくる尋常でない快感も少し落ち着きを見せた。

 

「事実、貴様は魔術師の中では”それなりに”優秀であるらしい。まるで本気を出していなかった余興とはいえ、私に勝つくらいだからな。確かに魔術師としては実力があるのだと、この私が認めてやろう」

 

 ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ、ぬちゅ。

 

「んはぁぁぁああ……っ♡ あっ、あっ、あっ、あはぁ……」

 

 膣を掻くような動きから、緩やかに挿入を繰り返す優しい動きへと変化する。このくらいであれば、激しさだけは自分で慰めるときと同じ程度の強さなのだが、その快感の質は桁が違う。

 

 甘い、甘い甘い甘い快感が性器から脳天にかけてじわあああっと広がり、私の身体が蕩けていく。ずっとこうして可愛がってもらいたいと思ってしまうくらいに、気持ちがいい。

 

「そして俺は能力主義だ。実力があるのであれば、他者を見下すのは当然のことだ。この俺も、貴様達魔術師のことは見下しているしな」

 

 ああ、馬鹿な男が、馬鹿な事を言っている。たった今私は、そんな馬鹿の愛撫で気持ちよくさせられていると思うと、そして抵抗できずにあんあん喘がされていると思うと、堪らなく背筋がゾクゾクする。

 

「だがな。貴様のようなガキ、それも女であれば話は別だ。いいか、女は黙って男の後ろにいれば良いのだ……出しゃばるな! 貴様ら女は、ただ男に尽くすだけの存在だ! 子を産み、育てるだけしか価値がない! そんな女が、貴様が、この俺を、よりにもよって、み、見下すなど、絶対に許さん!!」

 

 ぐちゅう!♡

 

 太い指が、膣の天井を殴るように抉る。

 

「っあうううう♡!?」

 

 ああ、本当に最低だ。こんな男に弄ばれている。こんなレベルの低い男に、いいようにされている。

 

「……くく。く、くはははは……」

 

 勝手に盛り上がったかと思った直後、バルガスは突如笑い出した。

 

「それがなんだ、このザマは! どうした、俺をゴミでも眺めるかのように見ていたあの目はどこへいった! 貴様は今、そのゴミに股をほじくられてよがり狂っているそれ以下の牝豚よ!!」

 

 にゅちゅん、ぬちゅっ、ぐちゅっ、ごちゅっ!!

 

 再び乱暴な愛撫が再開される。

 

「ああ゛ーーーっ!♡ やっ、やめてへぇっ!♡ だめっ!♡ だめぇっ!♡」

 

 能力主義などと言いながら男が絶対であると考える徹底的な男尊女卑、それでいて自身の能力が追いついていない哀れな男。バルガスは今、私に感じていたであろう劣等感、そして鬱憤を好き勝手に発散している。私の身体で。私を、玩具のように弄りまわして。それが、私を駄目にする。

  

 (さ、逆らえないっ……!)

 

 逆らうことなんて、本来簡単のはずなのに、できない。身体が──いや、それ以上に心が、屈服してしまっている。だって。

 

 こんな屑にいいようにされて、嬉しいのだ。

 

 脳内麻薬が異常に分泌されている。私が夢見た体験を、今まさにしている。それでいて、途方も無いほど気持ちよくさせられている。

 

 バルガスが言うとおり、ただ性器を指で刺激されているのに過ぎないのに、私は最早自慰で迎える絶頂時よりも満たされていた。媚薬と性癖による相乗効果なのだろうが、それでもまさかここまで乱れさせられるなんて。

 

「どうだっ! どれほど能力があろうとも、貴様は所詮この程度の存在だっ! 多少気持ち良くさせられた程度で、簡単にプライドを投げ捨てる! わかったか! 女はそうして、ただ男に媚びていればいいのだ!!」

 

「~~~~っ!!♡」

 

 ゾクゾクゾクゾクゾクゾクッ。

 

 ああ、やめて。これ以上私を、興奮させないで。

 

「どうしたっ……返事をしろ、牝豚ッ!!」

 

 駄目だ、駄目だ、言葉にするのだけはいけない。私は自分から抱かれているんじゃなくて、無理やり襲われているのだから。私は、優れているんだ、だからそれだけはダメだ、あくまでこれは、そう、遊び、こいつを使った私が主体の遊び、だから、私はっ……!

 

「はっ……」

 

 (──あ)

 

「はいぃぃぃぃ……っ♡」

 

 その瞬間。

 

 全身を凄まじいほどの電撃が、駆け巡った。

 

「かふっ───」

 

 一瞬何が起きたのかわからないほどの快楽に。

 

 下半身から脳天まで、貫かれる。

 

 言葉にしただけで。認めただけで。

 

 そこに。

 

「くっ……はは、はははははははっ!! 認めたな! ついに俺に、服従したなッ!! ははははははは!! よかろう、褒美だっ!!」

 

 ごちゅごちゅごちゅごちゅッ!

 

 ずちゅぬちゅぐちゅごちゅッ!

 

 ぬぽ、ぬぽ、ぬぽんっ、ぬぽっ!

 

「ぐひぃっ……♡ おごっ、やめっ、……っお゛♡ おぅん♡」

 

 バルガスの指と言葉で、強制的に昂ぶらされていく。性器の神経が、快感でズタズタにされている。膣はビクビクと痙攣しながら白く泡立った愛液を吐き出して喜びに咽び泣いている。

 

 完全にバルガスに媚びてしまった私の身体は、獣じみた嬌声をあげながら、ただただ感じることしかできなかった。

 

 かつてないほどの絶頂感が、迫っている。もうどうしようもない。今更抵抗しようと思っても、今だけは本気で不可能だ。

 

 つまり、そうだ、今から私は、こんな男に。イカされるのだ。

 

「ふはははは……褒美だからな、このまま一度達するまで続けてやろう。どうだ、嬉しいか牝豚!」

 

 ぶしゅっ、ぷしゅっ、ぷしゃっ!

 

 私の膣が、まるで返事をするかのように、何度も潮を吹き出す。

 

「あへっ、あへぇっ……♡! だめへぇ、いいい、イク、私っ、イっちゃうぅぅぅ……♡!」

 

 私は舌をだらしなく突き出しながら、伝える必要のない言葉を口にしてしまう。私自身の情けない屈服宣言に、身体はより興奮し、決壊寸前のダムに更に更にと快感を増幅させていく。

 

 ああ、もう、ダメだ。

 

「くははははッ! そうか、ならば牝豚らしく鳴けよ、小娘!」

 

 ずっちゅずっちゅずっちゅずっちゅ、ぬちゅぬちゅぬちゅぬちゅっ!

 

 こんな、指なんかで、イク、イク、イク。

 ああ、こんな男に、イカされる────

 

「いく♡、い、イクううううううううううううっっっ!!!」

 

 ぶしゃああああああっ!!!

 

 

 

 未知が、私の身体を塗りつぶしていく。

 

 凄まじい絶頂感。

 

 性器から、許容量を超えているとしか思えない快感信号が狂ったように送り込まれて、頭が真っ白になる。

 

 ピンと、海老反りに固まった身体の中で、膣だけが、ビクビクといやらしい収縮を繰り返し、その都度ぴゅ、ぴゅと粘度の高い液体を吐き出していた。

 

 全身が多幸感に包まれる。今までの自慰など総じて児戯だったと確信してしまうほどの快感。

 

 にゅるりとバルガスの指が引き抜かれると、腰から浮かび上がっていた身体がドサりと床に落ちた。

 

「はっ……へぇ……っ♡」

 

 湿った吐息を零しながら、涙がボロボロと流れていた。時折余韻で身体がびくりと震えるものの、絶頂の快感に骨抜きにされて力が完全に抜けきっている。

 

 (す、すご、すぎるぅ……)

 

 なんてものを味わってしまったんだろう。こんなの、絶対に忘れることなんてできない。もう間違いなく、自慰なんかじゃ満足できない。

 

「小娘、男に嬲られた気分はどうだ?」

 

「……ぁ」

 

 視線を向けて、ドキリとする。バルガスが、汚らしい性器を軽く握りながら、私の性器に近づけていたからだ。

 

「あ、うう……♡」

 

 忘れていたわけではないが、そうだ。まだ私は指で刺激されたに過ぎない。主目的を、まだ互いに果たしていないのだ。

 

 (あ、あ、あんなの、挿れられたらっ……)

 

 張り型よりも歪で、大きなペニス。そんなもので、私の中をぐちゃぐちゃにかき混ぜられたら。更にそんな状態で、言葉で責められたら。

 

 

 ──絶対に、おかしくなる。

 

 

「さて……もう一度聞こう。これが、欲しいか?」

 

 ゾクゾクと背筋が震える。

 

 欲しい。あれで、めちゃくちゃにされたい。

 

 この男に……

 

 (──屈服したいっ……♡)

 

 私は無言で、両足を自ら抱え上げた。

 

 脚がМ字となり、いつでも男を受け入れられる無防備な体勢であることが強調される。

 

「……ふ。まあいいだろう、まだまだ雌犬の自覚は足りないようだが、それはこれから躾けてやるとしようか」

 

 バルガスはニヤリと笑うと、私の濡れそぼった性器に、ペニスをあてがった。



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