【1話】破滅願望【エロライトノベル】

ある日、私は城内で一番大きい訓練場を訪れていた。

 魔術の実技訓練としても専用の訓練場に次いでよく使用している場所だが、今回は違う。
 大訓練場ほど大きい訓練場が他にないため、武術と魔術、それぞれ利用できる日にちが定められているのだ。

 武の日(と呼ばれている)では魔術師がこの場で訓練することはできず、逆(魔の日)もまた然りだ。
 そして、今日は武の日である。

 当然、目の前では、王城仕えの精鋭の騎士たち500人あまりが気合を込めた発声をしながら剣を振り回している。
 室内は汗の臭いが充満し、中庭ほどの広さのある大訓練場の天井には男達の熱気で雲がかかり豪奢な天井の装飾を覗う事は出来ない。

 普段であれば、間違いなく近寄らない。
 どう考えても不快でしかない臭いを嗅いでいるのに、私の胸は微かに高鳴っていた。

 私は今、夜な夜な自分を慰めている。
 犯されたいという願望を自覚してしまってから、毎日だ。

 その思いは日に日に強くなっていた。

 …はあっ…このすえた汗の匂い…いい匂い…
 
 色が着いていそうな濃厚な空気を胸いっぱいに深呼吸し、私は身体を震わせた。

「貴様、ここで何をしている!!」

 突如、誰かの大声が私を妄想から引き戻す。

 ……いや。誰か、というのは正しくなかった。
 私は声の主が誰であるか、わかっている。

 視線を向ければ、そこには、私を強く睨む大柄な男がいた。
 第三騎士団長、バルガス・オルフェゴール。

 典型的な男尊女卑主義者であり、魔術師を嫌う騎士連中の内でも特に魔術師を酷く嫌っている男だ。

「……突然、なんでしょうか」

「ここは訓練場だ。薄汚い魔術師、ましてやお前のような女子供が入ってよい場所ではない。即刻立ち去れ」

 重ねて言うが、今日は武の日というだけで、日によっては魔術師も利用する場所である。

「……随分な物言いですね。武の日といえど、見学であれば魔術師の入室も特に禁じられてはいないはずですが」

「ふん、関係ないな。どうせよからぬ事でも企んでいるに決まっている。団長である私の命令だ、失せろ」

 男は刀の傷跡が刻まれた眉間に皺を寄せながら、ギロリと私を睨んだ。
 齢40は超えるであろう大の大人が、たかが15の小娘に大人げないにも程がある。

「……はぁ。父を嫌っているのは知っていますが、私に当たられても困ります。……ああ、それとも、以前私に負けたことをまだ根に持っているとかでしょうか?」

 瞬間、バルガスの目が大きく開いた。
 実際、こいつが魔術師を嫌っているのは周知のことなのだが、ここまで積極的に絡んでくるのは父と私が相手のときだけだ。

 ……いや、といっても、元々こいつは私のことをほぼ無視していた。
 こいつからすれば仇敵とも言える父の娘とはいえ、女子供なんて相手にするには値しないと思っていたんだろう。

 だが、過去に王城内で開かれた闘技大会。
 そこで私は、父に散々嫌がらせをしていたこの男に対し鬱憤を晴らすかのごとく完封勝利を収めた。

 しかも、初級魔法しか使わないという舐めきった縛りをした上で。
 無詠唱で魔法を唱え続け、触れるどころか近寄ることさえさせずにノックアウトしたのだ。
 


 そのあまりの手ごたえの無さに、こいつが魔術師のことを嫌っているのは自分が勝てないから──というか、以前にも似たようなことがあったのではないかと睨んでいる。
 ともかくその日以来、この男が目の敵にする人間がめでたく一人増えたというわけだ。

「貴様ぁ……!!」

 額に青筋を浮かべて微かに震えるバルガス。
 血管が切れて死ぬんじゃないかと思ってしまうほど目に見えて怒りに打ち震えている。

「……あら、失礼しました。お祭りのような催しで騎士団長様が本気を出すわけがありませんでしたね?」

「それ以上口を開いてみろ……即刻叩き斬ってくれる……!!」

 私のフォローという名の煽りに、バルガスは腰に掲げた剣の柄に手をかけた。
 この男本気か、と思わなくもないが、多分本気なんだろう。

 この程度のやり取りで我を忘れる程怒り狂うなんて、私としてはその方が恥ずかしいと思うのだが。

「……怖いですね。斬られる前に、退散することにします」

 あまりのバルガスの無様さに噛み潰していた失笑が口元を歪めてしまう。
 見られないように急いで踵を返したが、ひょっとしたら嘲笑しているのを見られていたかもしれない。
 バルガスから見たら彼を笑いにわざわざ訓練場に顔を出した性悪女ではないか…

 ……まあ、この男の沸点の低さはともかく。

 今まで武の日に立ち寄ったことなんてなかった私が突然見学に来ていたのだ、訝しむのもわからなくはない。
 実際、ここに足を運んだのはロクな理由じゃない。

 男臭いこの空間に来て、ここにいた全員から無理やり襲われることを妄想して楽しんでいたのだ。
 何十本もの腕が私の身体に伸びてきて、ローブが破かれ……

 と、ここにいる全員だと、バルガスまで対象に入ってしまう。
 さすがにそれは嫌悪感の方が強い。

(……あ、でも、あの本でも……)

 私が図書室で見つけた官能小説。
 もう何回読み返したかわからないあの物語には、嫌っている男に犯されるというシチュエーションがあった。

 ……いや、あれは親の仇だったから、嫌っているというか憎んでいるというべきだが。
 本の主人公はその時点で他の男に何度も犯されているが、殺したいはずのその相手に犯されながら今までで一番乱れてしまうという話だった。

(嫌いな、相手……)

 その瞬間、本に綴られる文字を何度も脳内で具現化した、主人公が親の仇に後ろから突かれるというその光景が、私とバルガスに入れ替わる。
 トクン、と私の胸が高鳴った。

(いやいや……)

 それはありえない。大体あの話だって、読み手の男性を喜ばせるためのただの作り話だ。
 実際に憎んでいる相手に犯されて普段より感じてしまうなんて、あるはずがない。

 そうだ。
 父に散々酷いことをしたあの男に、野蛮で浅慮で加えて実力もない、大嫌いなあの男に私が?

(…………)

 いくらなんでもそれはない。
 馬鹿みたいなことを考えてしまった。お風呂でも入って、頭を冷やそう。

 ありえないことを考えてしまった自分に混乱しながら小走りで大訓練場を後にする私は、気付かない。


 鼓動が僅かに早まっていたことに。そして、その私の背中を睨むバルガスの殺意と敵意の篭った視線に・・・


 訓練場で一悶着があったその日の夜、私はそんなことを思い出しながら──ベッドに潜りつつ、寝間着の上から自身の股間を撫でていた。

「はぁ……」

 熱い吐息が零れる。
 最早日課のように、私は自慰にハマってしまっていたのだが、この日はいつもとは違った。

 私は普段、酷い目に合わされていることを想像しながら自分を慰めているのだが、その相手は本の中の登場人物であったり、完全な架空の人物であったり、もしくは自分とは接点がないような人物ばかりだった。
 知人を相手に妄想するのは、好意的な人物であれば罪悪感が上回ってしまって楽しめないし、逆に嫌いな人物であれば嫌悪感が上回って同様に楽しめないのだ。

 ……その、はずだった。

 そう、私は今、おかしいのだ。どう考えても錯乱している。
 嫌いというカテゴリ内ではトップクラスの位置に君臨するはずのあの男──バルガスが、頭から離れない。

 昼間は理性で一蹴したその妄想は、私の胸の隅にひっそりと根付き、じわじわと、まるで毒が私の身体を蝕むかのように大きな欲望へと変化していった。
 そうして私は今、その醜い欲望に抗え切れず、とうとう自分を慰め始めている。

 冷静になった後に後悔すると理性ではわかっているのだが、ここまで興奮してしまっている状態ではもう止められない。
 どうせ脳内での妄想なのだ。誰に知られるわけでもない。

(ああ……私、今から、あの男に……)

 ──コンコン。
 と、突然部屋の扉がノックされた。

「ひゃいっ!?」

 そんなはずはないのだが、咎められたかのような錯覚に陥ってしまう。
 咄嗟に出た返事は裏返り、とても間抜けな声を出してしまった。

「セラです」

 ノックの主は、私の身の回りを任せているメイドのセラだった。こんな時間にくることは珍しい。

「……セラ? いいわ、とりあえず入って」

「失礼します。夜分遅くに申し訳ありません、リア様」

 一礼して部屋に入ってきたセラは、普段通りのメイド服ではあったが、その表情は険しい。
 普段クールで有能な彼女が、感情を少しでも表に出すことは珍しいことだった。

「それで、どうしたの?」

 余程の事でなければこんな時間に訪ねてはこないだろう。
 彼女自身の表情もあり、少し身構えてしまう。少なくとも、吉報ではないはずだ。

「先ほど、バルガス様の私室にゲルウェン様が入室されるのを目にしまして」

「……何よ、その気持ちの悪い組み合わせ」

 ゲルウェンとは、私の両親と同じく王城に住むことを許された魔術師の一人であり、王城に滞在する魔術師の中でも最古参の老人だ。
 バルガスが何の理由もなく嫌っている魔術師を自室に招いたとは考えにくい。
 しかもその相手が古参の老害筆頭魔術師ともなると、二人の組み合わせは最悪だ。

「はい。私も同感でしたので、少々お話を聞かせて頂きました」

 さらっと"聞かせて頂いた"などと言っているが、彼女はただのメイドではない。
 当然本人たちから教えてもらったなんて意味ではなく、何らかの形で話を盗み聞きしたんだろう。

 正直、音を立てずに侵入して気付かれずにその場で話を聞きました──なんてぶっ飛んだ話であっても、信じてしまうかもしれない。
 それができてもおかしくないと思わせるだけの能力を、彼女は持っている。

「肝心の内容ですが……要約すると、リア様への報復活動を企んでいるそうです。何やら怪しげな紙包みの受け渡しも行われており、決行日は三日後とのことです」

「……私?」

「はい。何に対する報復なのか、そして何をするつもりなのかは明言されませんでしたが。とはいえ前者については、恐らく闘技大会で恥を欠かされたことか、もしくは本日の一件、あるいはその両方、くらいしかないでしょうね」

「……闘技大会はともかく、今日の出来事も当然のように知っているのね」

「それについても、偶然目にしまして」

「はぁ……まあそれでいいわ。それにしても──」

 たったあれだけの出来事で報復とは、実にあの男らしい。
 そこにゲルウェンが噛んでいるのは、考えるまでもなくその短慮さを利用するためであろう。

 あの老人──いや、この王城に滞在する古参魔術師のほぼ全ては、自身の地位に病的なまでに執着をもっている。
 比較的新参であり、若く実力のある私達一家が邪魔で仕方がないはずだ。

「如何なさいますか?」

 ……ふむ。
 多少の嫌がらせ程度ならともかく、ここまできたら話は別だ。

 具体的に何を企んでいるかまではわかっていないが、何かされるのを大人しく待っているというのも馬鹿馬鹿しい。
 最悪、殺される可能性だってあるのだ。

 となれば話は簡単だろう。やられる前に、やってやる。

「そうね……とりあえずお父様とお母様には報告しなくていいわ。この一件、私だけで対処するから」

「了解致しました。私は何をしま、……!?」

 突如、セラが膝をついた。
 そして何が起きたかを理解する前に、そのまま崩れ落ちる。

「……悪いわね」

 無詠唱による睡眠魔術。それを行ったのは、当然私だ。
 さすがの彼女も、無警戒の相手に不意打ちされては防げないだろう。

 この一件に彼女を巻き込むつもりはない。
 何事においても有能なメイドであり、もしかすると暗殺を命じても卒なくこなしてしまうかもしれない。

 だが、だとしても彼女はやはりメイドなのだ。荒事は本業ではない。
 危険な真似をさせるわけにはいかないのだ。

 とはいえ、私自身で排除するなどと言っても、素直に聞いてくれはしないだろう。
 関わってくることは間違いないし、下手をすると両親に報告されてしまう可能性もある。

 そしてこの一件が両親の耳に入った場合、娘である私の為に動いてくれることは間違いない。
 だが、私の両親は所謂善人であり、言ってしまえば甘い。

 さすがに娘の身の危険ともなれば、下手人達を王城から排除することくらいはしてくれると思うが、逆に言えばそれが限界だ。
 恐らく、殺害という手段はとらないだろう。

 それでは甘いのだ。そんなことをして逆恨みされ、後々の禍根を残すくらいなら、ここで断ってしまった方がいい。
 嫌がらせ程度で済んでいる内はともかく、報復などと言い出したのであれば、もはや敵でしかないのだから。


 覚悟を決め、ベッドに座ると目の前に魔力の渦を発生させる。
 渦はどんどん広がっていき、内部に円状の空間ができあがっていく。

 そしてその空間に、少しずつ映像が映し出された。
 私が独自に編み出した、遠見の魔術である。

 私の魔力が届く範囲ならどこでも見ることができるという魔術で、更に遠視先には魔力はほぼ発生しないため気付かれることもない。
 まずは二人の現状を確認し、場合によっては今夜中にカタを付ける。

 と、そんな覚悟を決めていた時だった。
 バルガスの自室を映し出した映像から、突如嬌声が響きわたってきた。

『ああーーっ!♡』

「──っ!?」

 まるで予想していなかったその光景に、驚き硬直してしまう私。
 リアと同じ制服を着た王城のメイドと思われる少女が、壁に手をつき、後ろからバルガスに犯されていた。
 髪の毛をツインテールに結えた、私と同世代か、少し上ぐらいの年齢の若いメイドだった。

 制服は着たままスカートをめくられ、下着だけが脱がされて右足首にかかっている。
 この部屋に入った瞬間に無理やり襲われたかのような格好だった。

 ──しかし。
 無理やり襲われたにしては、少女の様子がおかしい。

『お、おやめくださっ……んひぃ♡』

 どう聞いても感じているとしか思えないような声で、少女が叫んでいる。

『ふははは……そのような声で言われてもまるで説得力がないわ。気持ちがいいのだろう?』

 バルガスが、優越感をたっぷりこめた声で少女を揶揄する。

『ちっ、違いまっ……ひ、ひぃっ♡ こ、こんなこと、許されっ……あっ、あぁぁ……っ』

 そしてそれを否定しようとする少女の声は、明らかな歓喜の色が混じってしまっている。
 やはり襲われていることはほぼ間違いなさそうなのだが、しかし少女は悦んでいた。

 声だけではなく、乱暴に腰を打ち付けられているその局部からはパンッパンッという肉のぶつかり合う音と
 グッチャグッチャと卑猥な音が鳴り続けている。

「あ……う……」

 余りの光景に、絶句する私。
 性行為の場面なんて初めて見た。

 文章とは違う、現実。
 お尻を突き出して壁に手をついているメイドの少女は、切なげな瞳をしつつも、その口角は若干上がっていた。

『ああ~~っ♡ だめ、だめですぅっ……!』

 嬌声は、私が自慰の際に出してしまう声とは比較にならないくらい、淫靡だった。

 顔が熱い。
 確かめなくとも、自分の顔が真っ赤になってしまっていることが容易に伝わってくる。

『あはぁぁぁぁっ!すごいっ…♡ こっ、こんなの、初めてぇっ!! ひっ! ひっ!♡』

 なんて声を出しているんだろう。
 ……そんなに、気持ちいいのだろうか。

 すっかり自慰にハマってしまったこともあり、性的な快感がどんなものなのかは理解している。
 声を抑えようとしても、抑えられない。それも知っている。

 だが、少女の喘ぎは、私のそれとはレベルが違う。

『ひぃぃぃぃぃーーーーっ!!♡』

 悲鳴のような悦びの声に驚き、ビクリと身体が震える。
 いくらなんでも、ここまでの反応を示すことはありえるのだろうか。

 演技?

 そんなはずがない。
 演技だとするなら過剰すぎるし、恐らくレイプされているであろう彼女が、暴行を加えてきた相手を喜ばせる意味はまるでない。

「はぁっ、はぁっ……!」

 いつの間にか、呼吸が荒くなっていた。
 目の前の映像から視線を逸らせない。

 

 

『くくく……言うだけあって、中々の効果ではないか』

『じゃろう? 誰であろうと女であればこの薬の効果からは逃れられない。無論──あの小娘とて、な』

『くははは! あの生意気な娘が無様によがる場面を想像しただけで気分が良いわ!』

『あーっ!♡ あーっ!♡ あーっ!♡』

 ゴクリ、と唾をのみ込む音が脳内に響いた。
 こんな光景を見せられたら、もう我慢ができない。

 私は無心で下着を脱ぎ捨てて股を大きく広げると、下半身の突起物を乱暴に虐めだした。
 すぐ近くに、眠っているとはいえセラがいるのに。

 だが、止められない。
 今までとは比較にならないほど興奮してしまっている。

 "報復"とは、私を犯すことだったのだ。
 受け渡されていたという紙包みは媚薬か何かで、たった今あの少女に使用されているものなのだろう。

『待っていろよ、小娘め……! 女の分際というものをわからせてくれる……!』

「くぅ、ひぃんっ……!」

 バルガスのセリフに、ゾクゾクと背筋を怪しい快感が流れる。
 目の前の映像では、もはや無理やり襲われたなどといっても誰も信じないであろう程に、メイドは乱れ狂っていた。

 このまま放っておけば、決行日である三日後に、ああしてバルガスに泣かされているのは私になってしまう。
 それを想像した瞬間、屈辱感と怒りが湧き上がり──

「んはぁぁっ……!?」

 同時に、自身の指から送られてくる快感が激増した。局部から、じゅわっと愛液が漏れ出てくるのを感じる。

「あっ、あんっ、な、なにこれっ……!?」

 突起をぐりぐりと虐める左手が止まらない。どころか、その刺激に満足できなくなった右手が私のアソコへ出入りを開始した。
 信じられないくらい指がスムーズに侵入する。まるで潤滑油を使ったかのように、滑らかだった。

 途端、身体を快感が駆け巡る。

 行為そのものは今までに何度繰り返したかわからないくらいに、私の中ではありきたりな自慰だ。

 だが、気持ちよさのレベルが全く違った。

 今までにしていた犯されるという妄想。
 それが妄想ではなく、一気に現実味を帯びた今、私の身体は今までにない異常を示していた。

 ドクン!ドクン!と、痛くなるくらいに胸を打つ鼓動。
 自分でも驚くくらいに固くなっている乳首。
 そして何より、愛液の量がおかしいことになっている。

 ダラダラといつまでも溢れ続けるその液体は、気付けばベッドに手のひらサイズの染みを作っていた。

『あはぁーっ! 凄いぃ、凄いぃぃぃぃッ!♡』
『パンッ! バチンッ! ドチュンッ! パチンッ!』

「あうっ、はぁ、んはぁぁっ……」

 少女の凄まじい嬌声と、激しい性行為の音が私の耳を犯し、興奮を更に肥大させていく。
 性的興奮で思考が埋められてしまった私は、左手の動きを止めないまま、本棚まで移動する。

 傍から見れば相当に間抜けな光景のはずだが、今の私にそんなことを気にする余裕はない。

 魔術で施錠した大きな本を慌てて開くと、中のページは全て四角く切り抜かれており、その空間には張り型が入っていた。
 女が一人で自分を慰めるための、大人の玩具だ。

 それを手に取ると本を片付けることも忘れ、床に伏した邪魔なセラを飛び越えてベッド横の壁までたどり着く。
 そして映像を壁に映し出すと、壁に片手をつき残った手で乱暴に張り型を膣に挿入した。

「うあぁああぁぁっ……」

 ジュブジュブ、っと愛液を掻き分けて侵入してくる異物に、身体がビクビクと悦びの声をあげる。
 やはり今までとは桁違いの気持ちよさだった。

 映像に映し出された少女と同じような格好で、映像に映し出されたバルガスの腰の動きと同じタイミングで、張り型が動く。
 目の前の少女に感情移入しようなどと考えたわけではない。本能のままで動いた結果だった。

『ああっ、もう駄目ッ! 駄目ですバルガス様ぁっ!♡』

『ふん、ここか? これがいいんだろう、淫売め!』

「あっ、あんっ♡、あんっ♡、あんっ!♡」

 涎を垂らして映像を眺めながら、ただただ乱暴に手を動かす私。
 普段の自慰よりも遥かに気持ちいい。それだけ興奮してしまっているのだ。

 ──けれど。

『そこぉっ! そこだめですっ!♡ ああ、だめ、だめ──♡!!』

「くふぅぅー……」

 あそこまで、乱れるほどではない。
 なんなんだ、一体。

 本当に、そんなに……。
 我を忘れて叫んでしまうくらい気持ちいいのだろうか。

『バルガス様ぁっ!♡ もっとぉ、もっとぉ!』

『ふははは、とうとう本性を現したな、この淫乱め』

 バルガスが嘲笑しながら更に激しく ドスッ ドスン とメイドの小さな尻に腰を打ち付けている。
 そう、あいつはあんなに平然としているのに、対する少女は、正気を疑ってしまう程に乱れている。

 ニヤニヤと男に見下されながらレイプされているのに、よがり狂ってしまう。
 それも、自分から媚を売ってしまうほどに。
 それは私たち女性にとって、最大級の屈辱に違いない。

 私だったら、どれほどの怒りを覚えるだろう。
 どれほどの悔しさを感じるだろう。

 ああ──

『もう我慢の限界だろう。先ほどから中が小刻みに震えているぞ。そら、遠慮なく達するが良い、淫売』

『ああっ……! い、イクっイクーーーーーッ♡』

 ──なんて、羨ましい──!!

「んくぅぅ~っっ!!イク…ッイクぅ♡」

 少女の絶頂と同時に、私も達してしまう。聞こえるはずのない誰かに絶頂を宣言して。
 張り型を挿れてから5分も経っていない。
 異常に興奮してしまっていたせいか、今までの中で最短と言える速さだ。

 脱力し、そのままの体勢でいられなくなった私は、壁から崩れ落ち、ベッドの上に倒れ込む。
 膣の中に入ったままだった張り型が、膣圧によりにゅるん、と零れ落ちた。

「はぁ、はぁっ……」

『そら、中に出すぞ』

 映像は壁に映し出したままなので、ベッドに横になってしまった私からはもう見えない。
 容赦なく中出ししていると思われるその声に、メイドは嬌声で答えた。

『さて、これで効果の程はお分かり頂けたかな?』

『うむ、悪くない。くはは、三日後が楽しみだ』

 私は息を荒げながら、映像から流れる声をぼんやりと聞いていた。



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