甘い香りに包まれる。
店内は落ち着いた喫茶店で、割とアンティークっぽいものがある。食べ放題というのでもっとちゃちな感じのイメージを持っていたがそういったものでもないらしい。
ユキとクロちゃんは先程からもう口から涎を垂らさんばかりの勢いだ。
店員さんが席まで案内してくれる。窓に近い小さめの丸いテーブルだ。今にも飛びかかりそうな二人を一旦席に座らせると、俺は二人分の食べ放題を注文することにした。自分はケーキ一つとコーヒーでいい。
コースの内容としては90分のセルフサービスらしい。種類は30種類でサイズは小さめのショートケーキのくらいの大きさだ。だいたい一つ50グラムくらいか。ジュースもフリードリンクになっている。
コースの説明が終わるや否や、二人はトレイを手に一目散にケーキエリアに駆けていった。流石の速さだ。店員さんも少しびっくりしている。
しばらくして二人が戻ってくると、そのトレイには色とりどりのケーキが乗っていた。ジュースも片手に持っている。ユキはオレンジジュース、クロちゃんはリンゴジュースのようだ。
「とりあえず全種類取ってきました!」
「まずは味見だよな味見!」
二人は席に着くとかなりの速さで食べ始めた。ペースはほとんど同じだ。
右に座っているユキは丁寧にフォークで半分ほどにして食べている。女の子っぽい仕草で可愛い。一方、左に座るクロちゃんのほうは一口で飲み込んでいる。大きく口を開けて大胆だ。こういうところにも性格がでるなぁ。
瞬く間に一つめのトレイを空にすると、二人はまたケーキエリアに飛んでいった。
ここで一旦どのくらい食べたのか考えてみよう。50グラムが30個だから概ね1500グラム、つまり1.5キロくらいだろう。普通の人ならお腹いっぱいになってきていてもおかしくない。とはいえ、ユキはこのくらいまだまだ序の口だし、あの様子ならクロちゃんも結構な大食らいに違いない。
二人が戻ってくると、また同じ量が乗っていた。ユキはまた全種類持ってきたようだが。クロちゃんは何種類がピックアップして持ってきたようだ。
「とっても美味しいです!」
「ああ、これが食べられるなんて夢みたいだ!」
そんなことを漏らしながらケーキを食べる二人。俺はそれを横目に見ながら二人のお腹に注目する。
ジュース込みで2キロほど収めたお腹は先程より少しふっくらしてきている。シロの方はお椀サイズの胸のしたからうっすらとわかるくらいだ。クロちゃんのほうは胸がユキより小さいので少しわかりやすい。ユキよりも少し上の方が膨らんできているように見える。筋肉の付き方が違うのだろうか。
相変わらずのペースでケーキを食べる二人を眺めながら、苺のショートケーキを食べる。
うん、うまい。コーヒーにも合っている。
そんなことをしているうちに二人は二つ目のトレイも食べてしまった。
例によって二人は瞬く間に次のケーキをトレイに乗せて帰ってくる。乗っているものはふたりともそれぞれ相変わらずだ。
そのお腹は先程に比べるとはっきりと膨らんできていた。概ね4キロほど食べているのだから当然である。やはりクロちゃんのほうがお腹の上の方から膨らむようだ。結構ピッチリしたセーターを着ているので、その膨らみ方がよく分かる。控えめな膨らみのしたから、ぽっこりと迫り出してきているお腹は、まだへそ周りの窪みを残していて艶めかしさを感じる。
ユキの方はといえば胸の下からふっくらしてきていたが全く余裕そうだ。白いワンピースのお腹がぽこっと膨らんできている。まだせいぜい胸の膨らみの3分の1位だ。
俺の視線に気づくとユキは、
「ふふっ、まだまだ始まったばかりですよ?」
と得意げな顔をしてくる。
確かにそうだろう。時間はまだ20分を少し回ったくらいだった。