Violent Witches: the Vindicatorの各キャラクターや作成背景をお話ししていく第6回目はヒロインにしてラスボスのシュトをもうちょっと書ききれなかったことがあるので書き足しです。あと、幼女時代のラフもあったので、せっかくなので前後編にして公開。
ゲームの販売先はこちらから。
Dlsite: https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ311431.html
Booth: https://booth.pm/ja/items/2592210
*今回は特に旧VWを未プレイだと激しくネタバレで突っ走るので、ここを見に来ている人は基本あまり問題ないと思いますが、一応注意してください。
Vindicator版を作るにあたって気をつけたかった、というかInt版を作る理由でもあったのですが、ラスボスであるシュトをできるだけ悪者にしないようにしたかった、というのがあります。
旧VWのシュトは死者を蘇らせる力を持って、トパルカインも倒し、フランクまで復活させてしまいます。
それでもその純粋な心に感動してくれた人もいるとは思うのですが、後々考えていくとどうにも自分の中で納得がいかず、その原因は結局シュトはフランクを自分の都合で復活させて魔女狩りまでけしかけている、という捉え方しかできない、というところでした。
この点旧VWの場合、魔女たちはなんだかシュトをいじめているような、それに微妙に繋がりがあってこうダメな世界に引き込んでいるような、そんな場面を挟んでいるのですが……旧VWの後も色々魔女を調べて、考え方を色々突き詰めていったら、より魔女同士の関係性は希薄になり、魔女の世界なんて特殊な集団社会自体が消滅しちゃった、こうなるとシュトの立場はよりなくなってしまいます。魔女がただ自然でありイノセントな存在なので、それを狩るフランクも狩らせるシュトも悪者でしかない。
それでなくても死者を復活させたり操ったりはさすがにやりすぎと思っていたので、それに代わるような能力も持たせられずなおさらどうするかが苦しかったです。
Int版はこういう経緯もあって、激しくストーリーと人間関係自体を変えることにしたのですが、Vindicatorは基本旧VWのリメイクというのが開発当初から決まっていた(そもそもニコニコゲームフェスで受賞したのがIntではなくこっちですし)ので、フランクとシュトの関係性はほぼほぼ踏襲することになっていました。
そこで、次の回のフランク編でも色々書こうとは思うのですが、まずフランクが復活する理由はシュトから完全に切り離すことにしました。シュトが蘇らせるのではなく、第三者、それもこの世界の理みたいなもので復活してくるのだという形をとりました。更に、シュトはフランクに魔女たちの情報を教えますが、魔女たちもある程度シュトからフランクの情報を聞いて会う前からなんとなく先の運命を見据えているような形にしました。ただ、これを詳細にやりすぎると魔女たちになんらかの自殺願望みたいなものが見えてしまうので、その辺りのバランスが非常に難しかったです。
結果として、シュトはあくまで復活したフランクがすぐにやられてしまわないように護身術だけ与え、再びこの世界から去ってしまう前にしっかり自分に向き合ってもらうことだけを目的に行動している、ことになります。
ここでフランクが普通に殺す殺さない抜きに過去に向き合える人間であれば何も苦労しないのでしょうが、そこは彼のアイデンティティがまずどうしようもないですし、復活した彼の仕事と因縁が許しません(これも次回色々書きたいな、と)。
シュト自身もこうなるしかなかったのだと理解しているだけに、VWの物語は割と登場人物同士でそれなりに合意形成ができているので、殺し殺されがある割には酷い悲壮感と不公平感はないです(と思っているのですが、ユーザー的にはどうなんでしょうね?)。
多分生き死にを恨むとしたら、こうなってしまった"運命"や"因縁"そして"世界"そのものになるんじゃないかと思います。正直、そこまで突っ込めるような壮大な話になかなかできていないので、そういうものが描けるとすると超大作RPGを作るしかないのだろうと。なかなか短~中編ぐらいしか作っていない自分ですが、いつかは連作でもそういう作品に挑めたらよいな、とは思っています。
*今回のボーナス映像はシュト戦での変身ムービーです。